春の登山シーズンもうすぐ、北アルプスで小屋開け作業スタート 昨年より雪が少なく「水が心配」との声も
山小屋「涸沢ヒュッテ」、従業員ら和気あいあいと
春の登山シーズンを控えた北アルプス涸沢(長野県松本市安曇)の山小屋「涸沢ヒュッテ」(標高約2300メートル)で17日、小屋開け作業が始まった。昨年秋に閉じた小屋を覆う雪は、昨季より少なめ。青空の下、従業員ら約20人が屋根や外壁の上部が顔をのぞかせる状態から掘り、和気あいあいと汗を流した。 【写真】雪庇が崩れかかっている、北アルプス唐松岳南方の稜線
「雪がこんなに少ないのは初めて。水が心配」
従業員らはヘリコプターで運んだ除雪機で雪をはじき飛ばし、スコップなどを使って地道に除雪。食料品や飲料水なども手渡しで小屋内に運び入れた。 3月にまとまった雪が降ったものの、山口孝会長(76)は「雪が少ないねえ。こんなに少ないのは初めて」。伏流水を水源とするヒュッテは昨年秋、水不足を理由に客の水の利用を制限した。小林剛社長(60)は「今年も水が心配ですね」と話した。
雪崩の影響で当面はテント泊の対応検討
北穂高岳直下で発生した雪崩の影響で、テント場は大小さまざまな雪の塊に覆われた状態。ヒュッテは受け入れを含めて当面のテント泊の対応を検討している。 小林社長は「インバウンド(訪日客)を含めてたくさんの方に来てほしい」と期待。春山の登山者には涸沢まででも軽アイゼン、さらに上に登る場合は冬山装備などで山に入るよう呼びかけている。
27日から営業開始
上高地の開山祭がある27日に営業を始め、昨年同様に新型コロナ対策で定員を140人に絞る。完全予約制で25日午前8時から受け付ける。