子どもは「感染拡大の役割担っていない」 新型コロナ専門家会議
新型コロナウイルスをめぐる政府の専門家会議が1日、開かれ、その後の記者会見で副座長の尾身茂氏(地域医療機能推進機構・理事長)は「現在の知見では子どもは地域において感染を拡大する役割をほとんど担っていないというエビデンス、情報を得ている」と述べた。
インフルエンザとは「相当違う」
北海道大学の西浦博教授は、これまでの日本の1000人以上の感染者のうち、「学校の中で子どもたちの間で伝播が起こって流行が拡大しているというエビデンスが今のところない。多くは家庭内の伝播で起こっている」と新型コロナウイルスの特徴を説明。「ここがインフルエンザとは相当違う点だ」と指摘した。 学校の再開が注目される中での発言。尾身氏は、「県という大きなくくりではなく、地域、生活圏ごとの、(感染)まん延の状況を踏まえて(学校の再開を)判断していくことが重要だ。もちろん子どもに関する新たな知見・エビデンスが出れば適宜修正していく」と語った。 専門家会議は、感染状況に応じて(1)感染拡大警戒地域(2)感染確認地域(3)感染未確認地域――の3つの地域に区分。 このうち、(1)の感染拡大警戒地域は「1週間前と比べて(感染者の)大幅な増加が認められるが、オーバーシュートには至っていない地域。医療供給のキャパシティの観点から、切迫性が高い状況、恐れが高まっている状況」などと位置づけた。これらの地域においては「地域内の学校の一斉臨時休業は選択肢として検討してもいいのではないか」と提言した。