若松孝二の十三回忌イベントが4劇場で開催、柄本佑・白石和彌・向里祐香ら登壇
映画監督・若松孝二の十三回忌イベントが10月11日から17日まで東京・テアトル新宿で開催。さらに、千葉・シネマイクスピアリ、愛知・シネマスコーレ、大阪・シアターセブンでも行われる。 【画像】「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」場面写真 テアトル新宿では日替わり上映を実施。ラインナップには1970年製作の「性賊 セックスジャック」や、「17歳の風景/少年は何を見たのか」「キャタピラー」などの若松作品に加え、若松プロに集った若者たちの青春群像劇「止められるか、俺たちを」「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」などが並んだ。同作に劇中映画として登場した「燃えろ青春の一年」や、井上淳一とシネマスコーレ代表・木全純治が監督とプロデューサーとしてタッグを組んだ永瀬正敏の主演作「いきもののきろく」もスクリーンにかけられる。 ゲストとして柄本佑や「止められるか、俺たちを」の監督・白石和彌が参加。さらにタモト清嵐、美加理、向里祐香、ミズモトカナコ、足立正生、ガイラ、大日方教史、大西信満、辻智彦、芋生悠らの登壇も予定されている。上映作品やイベントスケジュールは以下の通り。 ■ 若松孝二 十三回忌イベント □ 東京都 テアトル新宿 2024年10月11日(金)~17日(木) <上映作品> 10月11日(金)17:50~「キャタピラー」ゲスト:伊勢崎賢治(紛争予防・平和構築の研究者) 10月12日(土)17:50~「17歳の風景/少年は何を見たのか」ゲスト:柄本佑 / 白石和彌 10月13日(日)17:50~「止められるか、俺たちを」ゲスト:タモト清嵐ほか 10月14日(月・祝)17:50~「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」ゲスト:宮田岳ほか 10月15日(火)17:50~「いきもののきろく」「燃えろ青春の一年」ゲスト:美加理 / 向里祐香 / ミズモトカナコほか 10月16日(水)17:50~「性賊 セックスジャック」ゲスト:足立正生 / ガイラ / 大日方教史ほか 10月17日(木)21:00~「若松孝二作品」メイキング ゲスト:大西信満 / 辻智彦ほか □ 千葉県 シネマイクスピアリ 2024年10月11日(金)~17日(木) <上映作品> 「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」 <イベント> 10月14日(月・祝)11:00~ ゲスト:宮田岳・中野ミホ(ミニライブ)/ 井上淳一 10月17日(木)14:00~ ゲスト:芋生悠 / 井上淳一 □ 愛知県 シネマスコーレ 2024年10月17日(木)15:40~ <上映作品> 「処女ゲバゲバ」 □ 大阪府 シアターセブン 2024年10月12日(土)~18日(金) <上映作品> 「止められるか、俺たちを」「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」 <イベント> 10月13日(日)14:20~ ゲスト:泉房穂(前・明石市長) / 大友麻子(若松プロ) ■ 尾崎宗子(若松プロダクション代表)コメント 父である若松孝二の口から、生前、「俺が死んでも映画は残る。映画に時効はない」と聞いた時、私は半信半疑でした。それが、12年前、突然父がいなくなり、若松プロを継ぐことになり、最初は一年だけと思って始めた命日上映会が二年になり、三年になり、五年になり、十年になって、はじめてその言葉が本当だったと実感しました。毎年毎年、父が残した作品を観て、父の思い出を共有してくださるお客さんたち。映画に時効はありませんでした。ありがたいことに、今年はテアトル新宿さん、シネマイクスピアリさん、シアターセブンさんで一週間の命日上映会を組んでいただき、また、シネマスコーレでは命日に旧作が上映されます。若松孝二の映画が今年もひとりでも多くの方に届くことを願っています。しかし、若松孝二に頼ってばかりもいられません。閉塞感で破裂しそうになっているこの世界に向けて、作品を生み出す磁場としての若松プロであり続けたいと願っています。 ■ 井上淳一(脚本家・映画監督)コメント 僕が若松プロにいたのは19歳から25歳までの5年半に過ぎません。正直言えば、ここにこのままいても先はないと考え、離れることを決意しました。それでも僕は、若松プロ出身と口にする時、どこか誇らしげだったと思います。それは若松プロを通り過ぎた先輩後輩も同じだったのではないでしょうか。足立正生さんもガイラさんも髙間賢治さんも荒井晴彦さんも、みんな。その秘密に少しでも迫れたらと、二本の脚本を書き、その内一本は監督しましたが、やはり分かりません。今回の命日上映週間でその謎を解き明かせたら、というのはあまりにも宣伝惹句すぎるでしょうか。でも、そういう一週間になればいいと思っています。 最後に自分の監督作品の宣伝をさせてください。「青春ジャック」をご覧になった方はわかると思いますが、「燃えろ青春の一年」は劇中で出てきた河合塾の映画です。まさか河合塾の入塾式で上映するためだけの映画がテアトル新宿のスクリーンで観られるなんて、僕自身が感無量です。同時上映の「いきもののきろく」は木全純治シネマスコーレ代表の初プロデュース作品で東京初上映になります。この映画を作り、シネマスコーレで上映した10年前は47分の短篇を単独で劇場公開するすべがありませんでした。公開方法を探る内に無駄に時間が過ぎました。しかし、先日、「箱男」を観て、この時間は無駄ではなかったと確信しました。「いきもののきろく」は永瀬正敏さんの原案です。「箱男」を観て、気づきました。これは「箱男」を作れなかった時期の、永瀬さんの「箱男」ではなかったのか、と。その映画を「箱男」と前後して上映できるのは、映画の神様のなせる業ではないでしょうか。また、この映画の主題歌は、昨年亡くなったPANTAさんです。この映画には多くの追悼が詰まっています。是非、ご覧ください。