黄砂シーズン本格化、18日にかけて全国的に注意 視程5キロ未満は交通機関に影響も
気象庁は17日、大阪市や広島市など西日本の各地で黄砂を観測したと明らかにした。18日にかけては、北日本や西日本など日本列島の広範囲での飛来が見込まれている。東アジアの砂漠地帯で強風に巻き上げられた大量の砂が広範囲に飛来する黄砂は、日本では春に多く、今年は3月末に初観測されるなど現在はシーズンの真っただ中にある。穏やかな陽気とは裏腹に、不要不急の外出は控えたほうが良さそうだ。 【写真】黄砂が車体に付着。洗車時の注意点は? ■脳梗塞などの発症にも関連か 黄砂の問題点としては主に、①見通しが利く距離である「視程」の悪化による交通機関などへの影響②呼吸器疾患などの悪化③洗濯物や車への付着ーがある。 ②については、環境省が国内外の研究成果をまとめた資料を作成。それによると、気管支ぜんそくや肺炎などの呼吸器疾患のほか、目のかゆみや結膜炎、くしゃみといったアレルギー症状を引き起こす。さらに、詳細なメカニズムは明らかになっていないものの、脳梗塞や心筋梗塞など循環器疾患の入院や発症増加との関連も報告されているという。 気象庁によると、日本列島は18日にかけて、北日本から西日本の広い範囲で黄砂の飛来が予測されている。日本海側で量が多いとみられ、場所によっては車のボンネットやベランダにうっすらと積もったり、視程が悪くなる可能性がある。 3月30日に関東や近畿、中四国、九州などで観測された際は、一部で視程が10キロ未満になった所もあったという。5キロ未満になると、飛行機など交通機関への影響が出る。 ■マスク着用、マラソンは避けて 黄砂の粒子の分析からは、土壌起源ではないと考えられる大気汚染物質(アンモニウムイオンなど)が検出されており、浮遊経過の中で取り込んでいる可能性が示唆されている。 環境省は、黄砂飛来時の対応として、呼吸器や循環器に疾患のある人や子供、高齢者に対してはより慎重な行動を要望。不要不急の外出を控えたり、不織布マスクなどを着用したりして、吸い込む量を減らすよう呼びかけている。マラソンなど屋外での長時間の運動は、避けたほうがよいとしている。