【週末映画コラム】若手監督たちの試金石『GEMNIBUS vol.1』/熊について考えるという意味ではタイムリーな『プロミスト・ランド』
【週末映画コラム】若手監督たちの試金石『GEMNIBUS vol.1』/熊について考えるという意味ではタイムリーな『プロミスト・ランド』 2/2
『プロミスト・ランド』(6月29日公開) マタギの伝統を受け継ぐ東北の山間の町。高校卒業後に家業の鶏舎を継いだ20歳の信行(杉田雷麟)は、閉鎖的な暮らしにうんざりしながらも流されるまま日々を過ごしていた。 ある日、役所から今年の熊狩りを禁止する通達が届く。違反すれば密猟とみなされ、マタギとして生きる道を閉ざされてしまう。町のマタギ衆は仕方なく決定に従うが、信行の兄貴分である礼二郎(寛一郎)はかたくなに拒み続ける。やがて礼二郎は信行を呼び出し、2人だけで熊狩りに挑む秘密の計画を打ち明ける。そして2人は山に入るが…。 飯嶋和一が1983年に発表した同名小説を映画化。本作の舞台でもある山形県庄内地方のマタギ衆に密着したドキュメンタリー『MATAGI マタギ』(23)の飯島将史監督が長編劇映画の初メガホンを取った。 特に時代設定は明らかにしていないが、舞台は1980年代だという。それ故、どこか昔の自然を相手にしたハードな映画を見ているような気になる。特に、西村晃主演の『マタギ』(82)のことを思い出した。若い2人が山中でのロケを頑張っている。今何かと騒がしい熊について考えるという意味ではタイムリーな映画になった。(寛一郎✕杉田雷麟インタビュー掲載中) (田中雄二)
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