【東京新聞杯】3~5番人気が近10年8勝と上位混戦 注目は好成績の「4歳牝馬」マスクトディーヴァなど
実績はジャスティンカフェだが
上記データから4、5歳中心も6歳は軽視せず、5番人気以内の取捨選択と順位づけが重要という傾向をつかんだ。ここからは具体的に好走馬を探す作業に進む。 まず前年覇者ウインカーネリアンの前走海外は【0-0-0-2】。これはサンプル数が少なく、判断は保留したい。ただ、東京新聞杯以降は海外遠征を含め、やや精彩を欠いており、昨年の状態にあるかどうか。 一方、国内組は前走GⅠ【5-3-2-16】勝率19.2%、複勝率38.5%から。ジャスティンカフェのマイルCSは【2-0-1-11】勝率14.3%、複勝率21.4%でさほどつながらない。これはすべて6着以下に敗れた馬たちのデータであり、3着馬の出走は2013年ドナウブルーが最後。その結果は1番人気10着。ジャスティンカフェも状態面がカギになりそうだ。 4歳牝馬はマスクトディーヴァとウンブライルに注目。マスクトディーヴァの前走秋華賞は【0-1-0-0】。22年ファインルージュが秋華賞2着から好走した。ウンブライルはNHKマイルC2着以来の実戦。さすがにデータでは判断できない。NHKマイルCは雨のなか行われ、1着シャンパンカラーは次走安田記念14着も、3着オオバンブルマイは豪州ゴールデンイーグルを勝った。6着モリアーナは紫苑S1着、秋華賞5着、AJCC4着。出走馬の好走は中距離か、高速決着でないマイル以下ばかり。ウンブライルも決着時計によってはチャンスだろう。昨年6着のクイーンCは1:33.4。勝ち時計は1:33.1だった。 4歳牝馬は【1-3-1-3】勝率12.5%、複勝率62.5%と好走確率が高い。高速決着ならマスクトディーヴァは計算できる。 GⅠ以外の内訳をまとめると、京都金杯【1-2-3-28】勝率2.9%、複勝率17.6%、ターコイズS【0-1-0-3】複勝率25.0%といった順に並ぶ。 京都金杯は中京で行われた年を除くと【1-2-2-15】勝率5.0%、複勝率25.0%と数字が少し上昇する。左回りの中京経由はよさそうだが、やはり中央場所の京都がつながる。着順の内訳は5着以内【1-1-2-5】、6~9着【0-1-0-5】、10着以下【0-0-0-5】。今年は3着トゥードジボン、4着アヴェラーレなどが該当する。 京都金杯は開幕週のイン優位な馬場のなか先行勢決着で、外を伸びた4、5着は馬場に恵まれなかった。とはいえ、大回りのDコースで行われる東京新聞杯も外差し馬場とは限らない。流れに乗れるトゥードジボンは東京初見参だが、昨秋の京都で逃げて上がり33秒台を記録しており、東京の高速上がりにも対応できる。 ターコイズSは19年レッドオルガが6着から2着に巻き返した。東京巧者がコース替わりで一変ととれば、11着ルージュリナージュや昨年ヴィクトリアマイル5着のサウンドビバーチェはイメージに近い。 重賞実績があるメンバーばかりなので、少し落ちるが、前走オープン・L【0-3-1-38】複勝率9.5%も確認する。距離は前走1600mが【0-3-1-28】複勝率12.5%で好走の第一条件といえる。リゲルSを勝ったマテンロウスカイ、キャピタルS3着アスクコンナモンダは2、3着なら、なくはない。なお前走オープン・L、マイル戦1着だと【0-0-1-7】で、勝たなくてもいい。同条件3着アスクコンナモンダにも可能性はある。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳