小学校に寄付25万円…校長「どう使う?」 児童は考えた「お金を育てて遊具買おう」 採用プランは「野菜を育てて売ろう」 志布志・伊崎田小
鹿児島県志布志市有明の伊崎田小学校内に児童有志が考案した野菜販売所ができた。同市出身で長崎県在住の西山亮一さん(94)の寄付を活用し、「お金を増やしてみんなの願いをかなえよう」と、使われていなかった飼育小屋を畑に再利用し野菜を栽培。1月26日はハクサイやニンジン3.5キロを収穫し、冷蔵ショーケースに並べた。 【写真】〈関連〉飼育小屋を再利用した畑でハクサイを収穫する児童=志布志市有明の伊崎田小
西山さんは同市の通山小を卒業し、2023年3月、市に教育振興資金として2100万円を寄付した。市教育委員会は学校備品や図書購入、芸術鑑賞事業に活用。このほか市内の全小中学校に25~35万円を分け、使い道を任せていた。 伊崎田小では「25万円寄付をいただきました。どうしますか」と全児童に夏休みの宿題を出した。6年生5人を中心とする12人が、野菜の栽培・販売企画を大山昭二校長(54)にプレゼンテーションし、採用された。 2学期に栽培部を立ち上げ、寄付の一部で収穫物を保管・販売する冷蔵ショーケースを購入。10月に数種類の野菜の種をまき、昼休みや放課後に世話してきた。 柿元惇之介部長=6年=は「お金を育てて学校に役立てたいと思いついた。小中学校で一緒に遊ぶ道具を買えたら」。村久木勇翔副部長=同=は「たくさん収穫できてうれしい。卒業しても畑を見に来たい」と話す。 「学校をきれいにしたい」との提案でロボット掃除機も購入し、児童や教員の負担減に役立てている。大山校長は「児童が学校に必要なことを考える機会になり、金融教育になった。貴重な経験のきっかけをいただいた西山さんにも活動を報告できれば」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島