減ってきたエンジンオイル 継ぎ足しても大丈夫? 混ぜると危険? リスクと注意点を整備士が解説
エンジンオイル継ぎ足し時の注意点
「エンジンオイルの継ぎ足しの手順」の解説ですでにお伝えしていることと重複する部分もありますが、作業時の注意点をお伝えします。 ▽オイルの種類に注意 適合するエンジンオイルを使わないと、思わぬトラブルの元になったり、最悪の場合はエンジンやそのほかの部品が故障する可能性もあります。 ただオイルを継ぎ足しただけなのに…と、高い出費にならないように、事前の確認・準備は非常に大切です。 例えば、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンでは、国内で普及しているオイルの場合、規格がまったく異なります。 またオイルの粘度もとても重要で、誤った粘度選択をすると、始動不良、燃費悪化、エンジンの焼き付き等のトラブルにつながる恐れがあります。 ▽エンジンオイルを入れすぎない エンジンの健康のためには、エンジンオイルを規定量以上に入れすぎないことがもっとも大切です。 基本的に、レベルゲージの下限値~上限値の範囲内であれば問題ありません。 よって、下限値~上限値の間半分までのオイルレベルだからと、無理に上限値に合わせる必要はありません。 エンジンオイルを継ぎ足した結果入れすぎてしまうと、燃費の悪化やマフラーからの白煙増加、最悪の場合はエンジンが損傷してしまう事例もあります。
エンジンオイルをこぼしたときは入念に洗浄する
エンジンオイルを継ぎ足す際に、万が一オイルをこぼしてしまったとき、そのまま放置することは禁物です。 エキマニ(排気管)などの高温部品に付着するとオイルが焼けて異臭が発生したり、最悪の場合は車両火災につながるリスクもあります。 こぼしたオイルはウエス等で拭き取り、さらには大量のパーツクリーナー(ブレーキクリーナー)を使って洗浄します。 水と油分は分離するので、洗浄する際に水をかけて流すだけでは十分にキレイにならないので注意しましょう。
エンジンオイルは定期的に交換しよう
繰り返しにはなりますが、エンジンオイルは秘伝のタレのように継ぎ足して使うものではありません。 秘伝のタレとは違って、エンジンオイルは劣化していきます。 一部、輸入車などにおいてエンジンオイルのメンテナンス方法が異なるものもありますが、国産車含めて基本的にほとんどの車で、エンジンオイルのメンテナンスは【3~5,000kmごと】に交換するのが一般的です。 また、この距離のインターバルまで保たずに、エンジンオイルの継ぎ足しが必要になるような状態だと、以下のトラブルが発生している可能性が高いです。 ・エンジン内部でオイル消費が発生 ・オイル漏れが発生 継ぎ足しで誤魔化すのではなく、オイルが減少する根本原因を修理することが重要です。 また、「オイル消費が多い×走行距離が多い」場合には、エンジンの寿命を迎えつつある合図でもあります。その場合には、乗り換えを検討することも大切です。 ◇ ◇ オイルの継ぎ足しは、常習的に行うものではなく、あくまで何かしらの事情による応急的な場合に限られると考えておく方がよいでしょう。知識のないままに、オイルを継ぎ足すことは様々なトラブルのリスクがあるのでなおさらです。 エンジンオイルは定期的な交換の実施が大前提なので、日頃から愛車のメンテナンスは欠かさないようにしましょう。 (まいどなニュース/norico)
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