「人前で全く喋れなかった」少女が、“アイドル”に憧れてステージに立つまで
最終審査に合格「とりあえず頑張ってみようかな」
いよいよ最終審査に進んだが、大一番の日、らきさんは10分の遅刻&忘れ物をしてしまう。 「この日は終始冷や汗で『まわりのみんなはちゃんとしているのに(泣)』って、かなり焦りました。最終審査は3チームに分かれてダンスと歌を披露したのですが、終わってから結果が発表されるまで3時間以上待たされました」 らきさんは誰とも会話をせず、おとなしく結果を待っていたそう。自分の名前が呼ばれた瞬間は「本当に受かっちゃった!」と“動揺”したそうだ。 「そのときは正直、“今からでも辞めようかな……”と思いました(笑)。でも、やってみないとわからないし、とりあえず頑張ってみようかなって」
驚きの連続でも「成長を実感」
しかし実際に加入してみると驚くことばかりだったという。 「ゆるめるモ!ってグループ名とコンセプト(※窮屈な世の中を私達がゆるめるもん!)から活動もゆるいと思っていたのに、ぜんぜん大変でびっくり(笑)。めちゃくちゃしっかりとやる感じで驚きましたね。 デビュー時は声が出なくて、プロデューサーに『高いのはやめてください』と直談判したり。でも今は出なかった高音も出るようになったので、自分でも成長を感じているし、なにより歌うことがより楽しくなりました」
“家で毎日ゴロゴロ”の生活が一変!
成長を実感しているのはアイドル活動だけではなく、私生活の中でもあったようだ。 「以前は、あまり外出しなかったので電車にも1人で乗れなかったんですよ。今でも乗り換えは微妙だけど、1人で電車に乗ったり、出かけたりすることができるようになりました。 家で毎日ゴロゴロしかしていなかったのに、ゆるめるモ!に加入してからは、週5日はお仕事をしている。まさに生活が一変しましたね」 10月で結成12年周年を迎えたゆるめるモ!。ライブにイベントにレッスンと、多忙を極めるらきさんだが、今後の野望とは? 「ゆるめるモ!でZeppツアーがやりたい!あとはイラストを描くのも好きだから、イラストも描き続けたいですね。 よく意外って驚かれますが、じつはモータースポーツが好きで、バイクの免許をいつか取りたいと思っています。そのうち仕事やコラボとかできたら嬉しいな!」 自身の辛い時期を救ってくれたゆるめるモ!に加入して、アイドル活動を始めたらきさん。今後は彼女が悩める誰かを救っていくに違いない。 <取材・文/吉沢さりぃ、編集・撮影/藤井厚年> 【吉沢さりぃ】 ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
日刊SPA!