水俣病マイク切り問題…7月の再懇談は発言時間に制限設けず 環境相が8、10、11日に現地訪問 長島町へ入り「獅子島の会」とも対話
水俣病の患者・被害者団体が伊藤信太郎環境相との懇談中に発言を遮られた問題で、環境省は28日、再度の懇談を7月8、10、11日の3日間の日程で開催すると発表した。伊藤氏が熊本県水俣市や鹿児島県長島町獅子島を訪れ、5月1日の懇談に参加した8団体と面会する。 「マイク切りの仕打ちを受けても、被害者は国を信じている」。3分からあふれた思い…立民が現地ヒアリング、水俣病救済新法案「本国会中の提示目指す」
水俣市で7月8日に6団体、10日に「水俣病患者連合」と懇談。11日は長島町獅子島や天草市御所浦町に移動し、「水俣病獅子島の会」などと対話する。懇談の形式は調整中だが、環境省側から団体の発言時間に制限は設けない。 同省によると、熊本県の木村敬知事は3日間全ての懇談に出席する意向を示している。鹿児島県からは11日に職員が同行する。 伊藤氏は6月28日の閣議後会見で「1回の再懇談で68年にわたる複雑で重要な問題が解決できるとは考えていない。一つのステップだ」と言及。「顔を合わせ、長い時間話し合い、お互いの気持ちや状況を理解する中で前進できると思っている」と述べた。 5月1日に水俣市で開かれた懇談では、環境省側が発言時間を「1団体3分程度」とするよう求め、超過した団体のマイクの音を切った。伊藤氏は8日に現地で当事者らに謝罪し、改めて懇談の場を設ける意向を示していた。
南日本新聞 | 鹿児島
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