主演作がカンヌ上映…快進撃続く河合優実、愛情が持てる作品を「引き寄せる」方法:第77回カンヌ国際映画祭
「自分が関わる身として、どういう作品に興味があるかというのをちゃんと思っていないといけないと思います。それを口に出せば、たとえ出さなくてもちゃんと思っていれば、そういう作品を“引き寄せる”のだと、すごく愛情を持てる作品に多く出会えてきたなという実感があります。そして、そういうものに出会うと、どんどん自分がどういう道を行きたいかという感覚も鋭くなってくると思います」
何に対しても情熱を持てない一方で内には激しさも秘めた現代の若者カナにふんした『ナミビアの砂漠』には、カンヌで拍手喝さいが贈られた。「上映前は緊張より楽しみな気持ちの方が大きかったのですが、上映が終わった後に体が震え出して、心臓がバクバクし始めました。終わったはずなのに(笑)。興奮しすぎてなのかな? 『何これ! 何これ!』って感じでドキドキしちゃったんですけど、そのくらいすごい経験でしたね」と初カンヌは予想以上のものだった。
「カンヌにいる間に映画を何本か観られたんですけど、お客さんたちが素直で、あんまりよくない時はよくない空気が漂うし、いい時は拍手喝さいで『フー!』みたいなのが止まらない。『ナミビア』の時はちゃんと盛り上がってくれていたので、『この反応はお世辞じゃないんだな』と思い、すごくうれしかったです」と笑顔を見せる。
その特別な経験を経ても、「ただカンヌでお祝いできてよかったねということじゃなくて、何か持ち帰れるものがあるといいと思う。今後に生きることが絶対あると思うので」と浮つくことはない河合。「『ナミビア』をやったことで、『妥協しないで面白いものを作ろうとしたらやっぱりできたじゃん!』という気持ちにすごくなり、可能性をもっとどんどん探っていきたいなと思いました。“いろいろあるし、ここまでしかできないや”みたいなことをできるだけ思わないようにしたいし、ドキドキする作品にいっぱい出会いたいなと思います」と決意を新たにした河合は、今後ますます快進撃を続けることになるだろう。(編集部・市川遥)
映画『ナミビアの砂漠』は2024年夏公開