新型ランドクルーザー70シリーズの悪路走破性はお見事!!! やっぱりどこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマだった
トヨタの新しい「ランドクルーザー70シリーズ」は、超一流のオフローダーだった! 悪路で試した大谷達也がリポートする。 【写真を見る】新型ランドクルーザー70シリーズの内外装など(62枚)昔では考えられない快適&ハイテク装備に迫る!
40年間作り続けられるワケ
自動車ライターを生業としていながら本当に申し訳ないが、今回、70シリーズが初めての試乗なのか? それとも久しぶりの試乗なのか? まったく記憶に残っていない。少なくとも、2023年に発売された最新型や、2014年に発売された30周年記念モデルに乗ったことがないのは間違いないけれど、それ以前のモデルがどうか? と、問われると、これがまるで自信がない。いずれにせよ、なにかの機会に移動くらいはさせたことがあるかもしれないが、インプレッションを書くために試乗したことがないのは間違いないような気がする。 私の記憶がこれほど曖昧なのは、70シリーズの歴史が長いのに一因がある。なにしろ、70シリーズが誕生したのは1984年のこと。それから改良に改良を重ねながら、ここまで40年間の長きにわたって作り続けられてきたのが、ランクル70シリーズなのである。 では、なぜ70シリーズが40年間も作り続けられてきたか? と、いえば、それに置き換わるモデルが存在し得なかったからとしかいいようがない。 70シリーズはいまもアフリカ、中東、オーストラリアなどに輸出され、まさにWorkhorse(使役馬)として酷使されている。使用環境は過酷で、メンテナンスもロクに受けられないケースが少なくないはず。それでも、ときには長く荒れた道のりを、スタックすることもなければトラブルを起こすことなく、無事に走りきって目的地まで辿り着くことこそが70シリーズに求められる究極の使命。そのためには、クルマの構造がシンプルかつ頑強で、たとえどこかが壊れてもパーツが容易に手に入る態勢が整っていなければならない。 そんなクルマを、現代の技術で作りうるだろうか? いや、もしもそれができたとして、地の果てでトラブルが起きたとき、補修パーツが簡単に入手できるだろうか? そこまで考えると、70シリーズを改良しながら作り続けたほうが、多くのユーザーにとってメリットがあるという結論に達したのは、ごく自然なことのように思える。 こうした70シリーズに、2024年の現代に試乗すると、どんな印象を抱くのか? 私の最大の関心は、この1点にあった。