メダリストは3年間好きな車に乗り放題 トヨタ 豊田会長からのご褒美
本郷理華のスポLOVE
ソフトボール女子日本代表の後藤希友選手(トヨタレッドテリアーズ)を訪ねました。2021年の東京五輪では代表チーム最年少の20歳で出場し、金メダル獲得に貢献しました。ソフトボールはパリ五輪では実施されませんが、28年のロサンゼルス五輪で正式種目に復帰します。4日からは、名古屋市のバンテリンドームナゴヤで第1戦が行われる「日米対抗ソフトボール2024」(読売新聞社など主催)で、最大のライバルの米国代表としのぎを削ります。
運転好き
――2021年の東京五輪で金メダルを獲得した時の気持ちを教えてください。 あの時は生まれて20年しか生きていなかったのですが、その中で一番うれしかった瞬間です。金メダルを取った時の喜びってすごいって感じました。 ――重圧もあったと思います。 決勝前までの登板は、ただ楽しいっていう気持ちで投げていたのですが、決勝は六回に1イニング登板して、これが五輪の怖さかと、完全にびびってしまっていました。 ――金メダルのご褒美はありましたか。 今はトヨタ自動車の会長の豊田章男さんがサブスク(定額利用)のKINTO(キント)で「メダリストは3年間、好きな車に乗っていいよ」って言ってくれて、それが一番うれしかった。今も乗っています。 ――運転は好きですか。 メチャクチャ好きですね。何も考えずに音楽を聴いて、運転している時間が一番リフレッシュできます。嫌なことがあると、わざと少し遠いところまで運転して行きます。
日米対抗へ
――自身の選手としての強みはどこだと思いますか。 おじけづかないところが、一番だと思っています。最悪のケースと最高のケースを頭に入れた状態で投げていますが、どっちが来てもいいように準備をしたり、割り切れたりしているので、そこはいいことだと思っています。 ――球が速い上に、コントロールも良い。 コントロールが良いのは、自分の売りです。中学校の時に一日何百球も投げ込んで、それが今に生きていると思います。練習量はうそをつかない。感覚の少しのずれが気になって仕方がないので、どこをどうすれば、狙ったところに投げられるか、考えながらやってきて、今はなじんでいますね。言葉にするのは難しい感覚ですね。 ――日常生活でも左利きですか? 左利きですけど、球技はものによっては右です。小さい頃、習い事をたくさんさせてもらっていて、テニスのラケットを持つのはどっちでもできた。でも、ドッジボールとか大きいボールは右でしか投げられないんです。ソフトボールも最初は右で投げてました。母に「左利きなんだから、左で投げなさい」って言われて直しました。ソフトボールや野球では、左投げの投手は貴重なんですが、母はそんなことは知らずに言ったんだと思います。 ――4年後のロサンゼルス五輪でソフトボールがまた正式種目になります。 ロサンゼルスでソフトボールが採用されることが決まって、そこへ向けてやるしかないという使命を受けた気がしました。それが今の意欲につながっていると思います。 今年の日米対抗は名古屋が第1戦ですね。 日米が私の地元の名古屋で開催されるのは初めてで、それが本当にうれしくて、今まで以上に気合が入っています。 【ごとう・みう】 名古屋市熱田区出身。小学校の部活動でソフトボールを始め、東海学園高を経てトヨタ自動車に入社。絶妙の制球で時速110キロを超える快速球を投げ込む。2021年の東京五輪では、主にリリーフを任され無失点に抑え、金メダル獲得に大きく貢献した。22年に発足したJDリーグでは2年連続で最高殊勲選手に輝く。前半戦を終えた今季のJDリーグでは8勝0敗、防御率0.26。身長1メートル74、左投げ左打ち。趣味はドライブ。