ゴミ袋でシェイクして“絶品”料理の出来上がり!? 米国 “極悪刑務所”で大人気「ジェイルライス」の作り方
プリズンの人気メニュー
ちなみに、ホーミー(編注:メキシコ系アメリカ人「チカーノ」によるチカーノ・ギャングの構成員の事。KEIさんは組長にあたるビッグ・ホーミーに認められ、ホーミーとして迎えられていた。)たちも決して食堂の飯は食べなかった。食材を調達して、自分たち好みの食事を作るのだ。 そうなると食堂では、膨大な食材が余ることになる。食堂で働く連中はそれを盗み出して売ることで、けっこうな稼ぎになった。例えば鶏のムネ肉が1枚1ドル。自分たちのようにウェイト・トレーニングをする者は鶏肉と卵が必要なのでよく買っていた。 ホーミーたちはいろいろと工夫して、ラテン・テイストのスパイシーな料理を作り出す。なかでも人気だったのが「ジェイルライス(編注:KEIさんによる造語。本来はスプリットと呼ばれる。)」だ。 作り方は簡単。プリズンには電子レンジしか調理器具がないから、それを使って粉々にしたインスタントラーメンを茹で、ひき肉やソーセージを加熱する。それらとライスやドリトス、レタスやトマトなど、みんなで持ち寄った具材をぜんぶゴミ袋に入れる。 そこにインスタントラーメンの調味料やサルサソース、マヨネーズ、ルイジアナ・ホットソースなどをぶち込み、あとはゴミ袋を膨らませて一気にシェイク。これで完成だ。仲間が出所するときのパーティには欠かせない人気メニューだった。 自分が前著『チカーノになった日本人』で、このジェイルライスを紹介したところ自分でも信じられないくらいの大きな反響があって、自分の知り合いはもちろん、自分の店のお客さんなど大勢の人に食べてもらったが、かなり辛いにもかかわらずに大好評だった。 みなさんも友達が集まったときには、ジェイルライス・パーティを試してみてほしい。刑務所ではないので、ゴミ袋で混ぜる必要はないが、プリズン気分を味わいたい人はあえてゴミ袋で混ぜるのもいいかもしれない。 (続)
弁護士JP編集部