高齢者と過ごすということ 介護士が語る、介護職の人となり『単に「優しい人」ではありません』
高齢者と過ごす豊かさ
介護の現場で出会った人から「幸せになる方法」を教わった、と語る介護福祉士でイラストレーターの高橋恵子さん。今度はあなたに、イラストと言葉でメッセージを届けます。 【本編を読む】次のイラストは 「あなたの耳に語りかける」
高齢の人と一緒にいることは、自分自身の幸せにつながること。 だからこそ、血のつながりに関係なく、おじいちゃんやおばあちゃんと過ごす経験がない子どもは、なんだかもったいないな、と感じます。 それは、いわゆる情操教育や思いやりを育むためといった理由ではありません。 高齢者と過ごすことで、その人との間に生まれる豊かさや温かさが、たしかに存在するからです。 そして、この「豊かさ」を仕事をする中で知っているのが介護職という職業の人たちです。 だから彼らは介護の仕事を続けられるのです。 決して、ただ相手のために尽くすだけの気持ちでいるわけではありません。 皆さんは、介護職というと、 「大変な仕事をえらんだ、優しい人」という、イメージが浮かぶのではないでしょうか? けれど介護職は単に「優しい人」ではありません。 老いていく人々のリズムをその身で共有することで、 人生のはかなさ、そしてそれ以上に豊かさを伺い知ることができている人たちなのです。 若い世代の介護職志望者が減少しているといわれる今だからこそ、 こうした介護の明るい一面も、もっと多くの人に知ってもらいたいと願っています。 《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
高橋恵子