「神話に登場する幻の帯を再現」 ドキュメンタリー映画監督が語った徹底取材の裏側
神話に登場する帯を再現する姿も見どころ
撮影の過程では、倭文の素材が当初に想定していた麻ではなく、カジの木の樹皮であることが判明。そこでパプアニューギニア、台湾、インドネシアなどの東アジアに生育するカジの木のサンプルを収集し、それら604点のDNA鑑定で、カジの木が日本に渡った二つのルートを探っていく。 「記録には平安期より以前、天皇の即位後に行われる大嘗祭の際に、カジの木の糸で織った真っ白な布が納められていたと記されています」 先の山口氏を含む4人の織物職人らがカジの木の糸を手作りし、試行錯誤を重ねながら、神話に登場する帯を独自のイメージで織り上げる姿も見どころのひとつだ。 麿赤兒(81)と大駱駝艦、コムアイ(31)による神話の再現と、ファッションモデル冨永愛(41)の語りが観客を悠久の歴史の世界へ誘う。 「週刊新潮」2024年5月30日号 掲載
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