ヘンテコリンな想像で“絶望”から救う、good morning N°5「VOGUES」
「good morning N°5『VOGUES』」が、9月27日から10月7日まで東京のザ・スズナリで上演される。 【写真】澤田育子 本作は、澤田育子が脚本・演出、中村中が音楽を担う、good morning N°5の最新作。出演者には富田健太郎、宮下今日子、長谷部洋子、イシヅカユウ、澤田育子、千代田信一、市川しんぺー、久保田南美、高久瑛理子、オビツミイ、鈴木裕樹、角谷良、永尾宗大、横山清正、“声の友情出演”として小林顕作が名を連ねた。 澤田は、“流行”を意味する「VOGUE」というタイトルに絡めて「今、私の中で流行っているのは『絶望』だ」と明かし、「完璧な人間なんていないというけれど、完璧な人間がいたらつまんない。でも、完璧な人間が、完璧だけど実は『人間』じゃない、となったら話は別だ。そんなのメチャクチャおもしろい。つまり、ヘンテコリンな勝手な想像が、悔恨・憤怒・怨嗟を超越し、人間を絶望から救ったりもする。そのために、作品を作りたいのです」とコメント。「絶望の中にいる人間を、かつて絶望したことがある人間が救い出す」と続けた。 チケットの一般販売は8月29日10:00にスタート。なお公演期間中、澤田によるトークイベント「サワダラゲバーク・イクコミューン」が同会場で実施される。澤田のコメント全文は以下の通り。 ■ 澤田育子コメント □ 「VOGUES」によせて 世間を風靡する流行もあれば、自分の中だけの流行もある。 今、私の中で流行っているのは「絶望」だ。絶望が人間を強くする、なんて言う人もいるけれど、嘘だと思う。絶望体験は人を弱くさせ、ビビリな人間にさせる。もう二度と同じような絶望に遭遇しないように、ビビリながら生きていく。それでもまた、不意に絶望に遭遇してしまう。嗚呼またか……、絶望して更に弱くなる。ビビりまくって生きていく自分は、おもしろくも、ある。 ある程度人生を歩んできたら、少なからず絶望に出会う。 欲望という電車の行き着く先は、時として絶望なのかもしれない。 己を取り囲む全く望んでいない現実、つまり絶望との遭遇。 こんなハズじゃなかった、どうしてこうなったのだろう、もうどうしたらいいのかわからない、これ以上生きていけない……。 未知との遭遇はワクワクするのに、絶望との遭遇は恐々とした強靭な闇。 「希望」が人間に作用する力の何億倍もの力を、「絶望」は持っていると思う。 他の一切を遮断した絶望という闇は、生と死を身近に感じさせる。 出口はあちこちにあるはずなのに、闇の中では全く気付かない。 絶望の発祥源との密なる対峙。己の至らなさへの悔恨、はたまた他者への憤怒や怨嗟。 悔恨や憤怒や怨嗟、ある種マイナスな汚い感情が、奇しくも絶望からの脱出、もがきながらも生きる希望への道へと導く。 悔恨・憤怒・怨嗟という電車が、新たな欲望へと向かう。 生きていればいいんだと思う。 完璧な人間なんていないというけれど、完璧な人間がいたらつまんない。 でも、完璧な人間が、完璧だけど実は「人間」じゃない、となったら話は別だ。 そんなのメチャクチャおもしろい。 つまり、ヘンテコリンな勝手な想像が、悔恨・憤怒・怨嗟を超越し、人間を絶望から救ったりもする。 そのために、作品を作りたいのです。 絶望の中にいる人間を、かつて絶望したことがある人間が救い出す。 出口の探し方はさまざまだろう。 世界が平和でありますように。 私が平穏でありますように。 Thanks & love! ■ good morning N°5「VOGUES」 2024年9月27日(金)~2024年10月7日(月) 東京都 ザ・スズナリ □ スタッフ 作・演出:澤田育子 音楽:中村中 □ 出演 富田健太郎 / 宮下今日子 / 長谷部洋子 / イシヅカユウ / 澤田育子 / 千代田信一 / 市川しんぺー / 久保田南美 / 高久瑛理子 / オビツミイ / 鈴木裕樹 / 角谷良 / 永尾宗大 / 横山清正 声の友情出演:小林顕作 ※学割あり。