エヌビディアの株価急騰、強気派も不安視-数年分の利益織り込みか
(ブルームバーグ): 人工知能(AI)向け半導体で圧倒的シェアを占める米半導体メーカー、エヌビディアの2023年初めからの株価急騰はあまりに急激で強く、強気の投資家でさえ、上昇余地がどの程度残っているか不安視せざるを得ない。
昨年初めからの550%近い上昇率を考えれば、最も揺るぎない強気派もそうなるだろう。エヌビディアの収益の伸びは現実であり、ウォール街のセンチメントは引き続き圧倒的に楽観的だが、これほどの急騰は、実現していない数年分の増益を織り込む傾向にある。
エヌビディアの時価総額は過去15カ月で2兆ドル(約303兆円)増加し、世界有数の大型銘柄となった。
ブリークリー・ファイナンシャル・グループのピーター・ブックバー最高投資責任者(CIO)は、このような動きは「非常に凝縮された時間で、将来の何年ものリターンを前倒しする」と分析し、ファンダメンタルズは二の次となり、取引は波乱含みになると見解を示した。
エドワード・ジョーンズのアナリスト、ローガン・パーク氏は「エヌビディアの利益率は非常に高く、競合他社の参入を促す。ソフトウエア分野で同社は素晴らしい仕事をしたが、誰もが分け前を望んでいる」と指摘した。
同氏は昨年11月段階でエヌビディアの投資判断を「買い」から「ホールド」に引き下げた。
26日の米株市場の通常取引で、エヌビディアの株価は2.6%安で取引を終えた。
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原題:Nvidia Traders Find Reasons to Worry Beyond Sky-High Stock Price(抜粋)
--取材協力:Ian King、Subrat Patnaik.
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Jeran Wittenstein, Ryan Vlastelica