HKT48石橋颯&竹本くるみ、“なこみく”からの継承と変化「“いぶくる”らしく引っ張っていきたい」
HKT48が12月20日(水)に17thシングル「バケツを被れ!」をリリースする。今作でWセンターを務めるのが、デビュー5年目で初めてセンターポジションに立つ5期生の石橋颯と竹本くるみだ。“いぶくる”の愛称で親しまれる2人に、グループへの思いや楽曲への意気込みを語ってもらった。 【写真】竹本くるみの耳が危ない…!? 石橋颯が噛みつこうと背後から狙う ■センター抜てきに家族も泣いて喜ぶ ――Wセンターおめでとうございます。ポジションが決まった時はどんな気持ちでしたか? 石橋:私はMV撮影日の数日前にビデオ通話で教えていただいたんですが、とにかくうれしくて、すごくびっくりしました。通話中に思わずマネージャーさんに「イエーイ!」ってしました(笑)。1年に1回会うか会わないかのおじいちゃんの家にみんなで集まっていた時だったので、みんなに「颯、シングルのセンターになったよ」と言ったら涙が溢れてきちゃって。お姉ちゃんとお母さんも泣いて喜んでくれました。 竹本:私は颯とは別のタイミングで、MV撮影の1週間ぐらい前にマネージャーさんに直接教えていただきました。母が一番喜んでくれました。私は東京出身なので、福岡で活動することで母や父に心配をかけてしまっていたんです。今回センターが決まったことで、改めて「福岡に来て良かったな」と思いました。 ■竹本くるみがぽろり…知らされてない石橋颯に「やったね!」 ――センターのことは、竹本さんが先に知っていたんですね。石橋さんに言いたくなりませんでしたか? 竹本:最初は颯も知っているものだと思って「やったね!」って言ったんです。そうしたら知らなそうな顔をしていたので「やばい、これはまだ言っちゃダメなやつだ」と思って、ごまかしながら心の中で止めました。その日の夜に、マネージャーさんから「石橋には言ってないからまだ言わないでおいて」と言われたんですけど、「バレたかな…」と思いました(苦笑)。 ――実際、石橋さんはどう感じていたんですか? 石橋:めちゃくちゃ目を輝かせて言ってきたので、気になるじゃないですか。「良いお知らせなんだろうな」と分かるくらい目が輝いていたので、「言うまで帰さないよ」って言ったら「いや、2、3カ月後くらいに知るんじゃない」みたいなことを言ってました(笑)。 竹本:「絶対帰さないから」って腕をつかんでいる時の力がすごかったです(笑)。 ■今のメンバーで大きなステージに ――石橋さんもセンターの話を聞いてからは、2人で意気込みなどを話し合うようなこともあったのでしょうか? 竹本:HKT48として大きい会場に立つのが夢なんです。6期生も入ってきて、フレッシュなメンバーとずっとグループを守ってきた先輩とで、協力してHKT48を盛り上げているタイミングなので、「今のメンバーで大きなステージに立ちたいね」という目標を一緒に話し合いました。 ――2022年の「HKT48 11th anniversary LIVE 2022」では、先輩から後輩への“継承コーナー”が行われていました。お2人はHKT48の変化をどう感じていますか? 石橋:先輩たちがたくさん卒業されて、それぞれが新しい未来に向かって行っているんだなと改めて思います。ありがたいことに、自分たちが前に出させていただくことも増えているので、時の流れを実感します。 竹本:やっぱり継承コンサートで特に変化を実感しました。私たちは「まだ先輩がいるから心強いな」という思いで活動していたところもあったんですが、卒業が続いたときは焦りました。(本村)碧唯さんが卒業されたり、なっぴ(運上弘菜)さんが卒業されたりと、お互いがユニットで一緒になった先輩が卒業されたので、今その思いを引き継がなきゃいけないなと思います。 ■今までとは違うHKT48が始まるきっかけの曲になれば ――グループが変化していく中でのセンターポジションにプレッシャーはありませんか? 竹本:今回のシングルが、今までとは違ったHKT48が始まるきっかけの曲になればいいなと思っています。新しいHKT48の魅力を伝えられるように、センターの役目を務めたいです。ただ、歴代のセンターの方々がすごすぎて、やっぱり不安はあります。並んだ時には「本当にセンターになったのかな」と感じてしまうんです。自分はまだ先輩のようにオーラや貫禄があるわけでもないので、これからたくさん学んで、オーラを身に着けたいです。 石橋:ファンの方がたくさん「頑張ろうね」と言ってくださるので、プレッシャーに感じることなく、ついてきていただけるように頑張ろうと思います。メンバーそれぞれに違う色の良さがあるので、これからHKT48のファンじゃない方にも見てもらって、気になってもらえたらいいなと思っています。 ■田中美久のファンから「いぶくるセンターはうれしい」の声 ――卒業を控えた田中美久さんの最後の参加曲ということもあって、田中さんのセンターを予想していた声もありました。 石橋:私がもし美久ちゃんのファンだったら「なんで“いぶくる”なんだよ」という感情は絶対に芽生えると思うんです。美久ちゃんは今まで頑張って引っ張ってきてくれていたし、美久ちゃんのシングルでのセンターを見たいという方もいると思います。 でも、思っていた以上に、美久ちゃんのファンの方たちからの「いぶくるセンターはうれしい」という声が多くて安心しました。美久ちゃん自身も配信で「いぶくるがセンターでうれしい」「私たちで支えていこうね」と言ってくださったんです。美久ちゃんの優しさと、美久ちゃんファンの方やHKT48ファンの方の優しさで、私たちはすごく支えられているなと思います。 竹本:私も「美久さんがセンターなんじゃないかな」と思っていたところにセンターが私たちだと知らされたんです。任せてもらったからには「HKT48を引っ張っていけるよ」という、格好良い背中を美久さんに見せられたらいいなと思います。 ■なこみくとは違う味を出していけたら ――矢吹奈子さんと田中さんの“なこみく”のように、“いぶくる”がこれからのHKT48次世代を引っ張っていくことになると思いますが、ペアの相性はいかがですか? 竹本:なこみくさんは、同い年で身長も同じくらいで、2人とも明るくてフレンドリーな感じが似ているイメージなんですが、私たちは真逆なんです。年齢は私が2つ上で、身長は颯の方が高い。颯は明るいけど、私はちょっとおとなしいというところも全然違うなと思います。 なこみくさんが大好きだし、なこみくさんと同じWセンターというのもうれしいですが、「なこみくさんの良さもあるけど、いぶくるの良さもあるよね」と思っていただけるように、違う味を出していけたらいいなと思います。 石橋:ペアになると比べられることはあると思うんですが、「なこみくの方が良い」とか「いぶくるの方が良くない」とかではなく、今までなこみくさんが支えてくれていた部分は私たちが引き継いでいきながらも、“なこみくさんみたいに”ということではなく、“いぶくるらしく”引っ張っていきたいなと思っています。 ――最後に今作を楽しみにしている方々に向けてメッセージをお願いします。 石橋:私たちが初めてWセンターを務めさせていただく「バケツを被れ!」は、きっと心の支えになってくれるような歌なんじゃないかなと思います。少しでも多くの方を支えて、守ってあげられるような歌になるといいなと思います。 竹本:今回のシングルは今のHKT48にすごく合っている曲だなと思います。環境が変わって、今は「これからどうなるんだろう」と不安な気持ちのメンバーも多いと思いますが、歌詞に「どこに逃げようと安全な場所は見つからないから」「人生はサバイバル」とあるように、逃げずに私たちに今できることを挑戦して、失敗しても心の中でバケツを被って、新しい未来を切り開いていけたらいいなと思います。このシングルがたくさんの方に広まって、ファンの方が増えてくれたらうれしいです。 ◆取材・文=山田健史