「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition 2022 バイブラントレッド」レビュー
アオシマが発売したプラモデル「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition 2022 バイブラントレッド(以下、GT-R NISMO Special edition)」は、「楽プラ スナップカー」の第2弾。簡単に組立ができて、カープラモデルとしてのこだわりもたっぷりの商品だ。 【画像】2022年の「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition」を簡単に組み立てられるプラモデルだ アオシマは「スナップキット」で簡単に組み立てられ、しっかりした仕上がりになる新しいプラモデルフォーマットを提示した。「スナップカー」は、「スナップキット」の手法を取り込み、「簡単に組み立てられ、表現にもこだわった新しいカープラモデル」に挑戦するブランドだ。 今回、「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition 2022 バイブラントレッド」を組み立てることで、そのプラモデルコンセプトや、かっこよさをレビューしていきたい。 ■ アップデートを繰り返すGTR R35型に、最先端レーシングテクノロジーを投入! 最初はモチーフとなる「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition 2022」を紹介したい。モチーフとなるのはNISSAN GT-R NISMO 2022年モデル。 R35はV型6気筒DOHCツインターボエンジンを搭載、駆動方式は4WD。エンジン出力やサスペンションなどは2007年のモデルからマイナーチェンジごとに改良を加えられている。そしてNISSAN GT-R NISMO 2022年モデルは、レーシング活動も行っているNISMO(日産モータースポーツ)の最先端レーシングテクノロジーが導入されている。 ダウンフォースを追求したエアロパーツ。軽量化を求めたNISMO専用カーボン製エンジンフード。高精度重量バランスエンジン部品を採用することで、安定性も追求。さらに鮮やかな赤いカラーが入ったバケットシートなど、レーシング仕様にこだわった内装も施されており、パフォーマンスだけでなく、雰囲気、世界観も追求した車となっているのだ。 プラモデル「GT-R NISMO 2022 Special edition」はこの非常にカッコイイスーパーカーを自らの手で組み立て、その魅力に触れることができる商品である。次章でパーツを紹介し、組み立てていこう。 ■ 簡単にカッコ良く組み上がる「GT-R NISMO 2022 Special edition」 プラモデル「GT-R NISMO 2022 Special edition」のランナー数は17と多いように感じるが、各ランナーのパーツは少なく全体的にシンプルだ。 銀メッキやクリアパーツなどが多く、「マテリアル感」を強調、組み合わせることで最小限のパーツで車の雰囲気を再現している。カーボン製のエンジンフードや、輝くライト、スポークの中からのぞく黄色いブレーキキャリパーなど、モチーフの魅力を効果的に表現している。 本商品は「気軽にカーモデルを組み立てたい人」と共に、「本格的に仕上げたい人」も対象にしている。手軽に部分塗装ができる「シール」だけでなく、「水転写デカール」も同梱されており、塗装して質感を向上させ、マークなど細かいところをデカールでカバーするという組み立て方も可能だ。今回はシールで組み立てた。 それではここから組み立てていこう。最初は前輪の組み立て。「スナップキット」では動かなかった前輪が、本シリーズでは可動するようになっている。ホビーショーで開発者に話を聞いたのだが、「ステアリングを切った姿が、車の表情がしっかり出る」という想いを受けてのものだという。構造そのものは非常にシンプルだが、前輪がしっかり曲がるのは本商品のセールスポイントだ。 前輪、後輪を組み入れていく。前輪はステアリング機構が組み込まれているが、後輪シャーシにシャフトを通し、ブレーキディスクのパーツをくぐらせた上で、両端をタイヤで止めるシンプルな構造だ。車体裏の構造はモールドで表現している。注目ポイントはホイールからのぞくディスクブレーキ。特徴的な黄色のブレーキキャリパーを成型色で、ディスク部分をシールで再現している。GT-R NISMO 2022 Special editionのデザインとしての大きなアクセントの表現に力を込めているのがわかる。 次は車内だ。こちらもモールドで表現は凝っているが組立は簡単。「スナップキット」でおなじみのバスタブ型コクピットとなっている。GT-R NISMO 2022 Special editionの大きな特徴である、レーシング仕様の赤いシートのカラーリングはシールで表現。配置することで雰囲気はバッチリ決まる。 次はボディ。ツヤのある赤いボディにシールや、光沢を放つルーフ部品を取り付けることで鮮やかな赤と黒のツートンカラーになっていく。次は窓枠だ。クリアパーツの窓にシールを貼っていく。塗装では難しい表現もしっかりできるのがシールの利点だが、貼る面積が大きい割にシール自身は細いため、組立で苦労する部分でもある。ただ、商品のシールの耐久力は高く、貼る位置を間違ってももう一度剥がし、くっつけることも可能だ。 窓をボディに取り付け、細部の部品を取り付けていく。プラモデル「GT-R NISMO 2022 Special edition」ではダクト部分など特徴的な外見を色分けの部品で表現している。このため塗装しなくてもしっかりモチーフに近いイメージで組み立てられる。 また、銀メッキのパーツをベースにしたフロントライト、銀メッキにクリアパーツ、赤のクリアパーツを重ねるブレーキランプの表現も見事だ。少ないパーツでリッチな雰囲気を出す手法は「スナップキット」からのフィードバックを強く感じさせる所だ。 特徴的なエアインテーク取り付けてから、これまで組み立ててきたシャーシ、コクピット、ボディを組み合わせる。リアウィング、リアバンパーを取り付ければ車本体の組み立ては完了。最後に細かいシールを貼っていく。次章で完成した姿、そしてディテールを見ていこう。 ■ 黒と赤のツートン、スポーティーなシルエットを完成したプラモデルで楽しむ ここからは完成したプラモデル「GT-R NISMO 2022 Special edition」を見ていきたい。筆者が組み立てたのはバイブラントレッド。落ち着いたちょっと暗めの赤がメインカラーで、黒が映える。輝くヘッドライトや、ディスクブレーキのシルバー、室内の赤いシートなどプラモデルを手に持ち、様々な角度で見つめるだけでも楽しい。全体とディテールを見ていこう。 プラモデル「GT-R NISMO 2022 Special edition」は、非常に組み立てやすく、高い満足感が味わえるキットだ。組み上がったプラモデルを手の中で眺め、細部をチェックし、内部をのぞき込んでいるとそのリッチな質感に感心してしまう。 一回組み立ててみれば、そのシンプルなパーツ構成と、練られた部品分割、考えられたシール配置にも驚かされるだろう。できるだけハードルを下げながら、カッコイイ車の姿を追求する。シールに限った話をすれば、「スナップキット」よりもシールで車体の塗装をカバーする要素は減っており、貼りやすい。 プラモデル「GT-R NISMO 2022 Special edition」は初心者からモデラーまでオススメの商品だ。これからの展開にも大きく期待したい。
HOBBY Watch,勝田哲也