公務員で共働きの兄夫婦は「貯金2000万円」を達成したそうです。わが家は「500万円」ほどで老後が不安なのですが、みんなどのくらい貯めているのでしょうか…?
金融資産保有額を年代別に見ると?
平均値と中央値の違いだけでなく、年代別に見ても金融資産の保有額の傾向が浮かび上がります。図表3のとおり40代の保有額平均値は889万円、中央値は220万円となっており、全体の平均値・中央値よりもかなり少ない金額です。 50歳代以上の高齢世帯のほうが金融資産は多いことを示しており、特に退職金が支給された後の年代である60歳代では、資産保有額が一気に伸びていることが分かります。 図表3
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和5年調査結果 各種分類別データ(令和5年)より抜粋 そのため、自分より上の世代で、平均を大きく上回る金融資産を保有している世帯が身近にいたとしても、その差を過度に気にする必要はないでしょう。周りとの差ではなく、自分の世帯でどの程度の蓄えが必要なのかを考えることのほうが大切です。
老後の生活に不安を抱く人は多い
「家計の金融行動に関する世論調査」では、老後の生活への不安についてもアンケートが行われています。その結果によれば、老後の生活を「それほど心配していない」と答えた人は全体の21.6%に過ぎず、それ以外は老後に何らかの不安を抱えています。ちなみに、不安の内容は「十分な金融資産がない」「年金・保険が十分ではない」など、経済的な不安が大半です。 この結果は、ある程度の金融資産を保有している人の中にも、老後に経済的な不安を感じている人が少なからずいることを示しています。つまり、老後に向けた不安は誰にでもあり、金融資産の多寡にかかわらず、老後への準備はすべての人にとって大切なことなのです。
老後資金対策は早めに取り掛かることが大切
金融資産が少ない世帯であれば、なおさら早めに、老後に向けた対策を講じる必要があります。日々の支出の見直しによって貯蓄に回すお金を捻出することから、NISAなどを活用した長期・分散・積立がベースの投資など対策はさまざまです。 まだ40代ぐらいの世帯であれば、老後までかなり時間もあり、早めに対策に取り掛かることで、時間を味方にして資産形成を有利に進められます。生活費の収支をしっかり把握した上で、貯蓄や運用に回せるものがないか考えてみることから始めてみましょう。
まとめ
保有する金融資産が平均値より少ないからといって、必ずしも過度に悲観する必要はありません。一方で、老後に不安を感じる人は、早めに老後資金対策に取り組むことも大切です。 自分の暮らしの収支を見直して、可能な対策を早めに講じることが豊かな老後の生活につながります。まずは今の生活を点検し、早めに可能な老後資金対策を実践してみてはいかがでしょうか。 出典 金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査2023年(二人以上世帯調査) 執筆者:松尾知真 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部