主演は井之脇海、七里圭の監督作「ピアニストを待ちながら」が生まれ変わって劇場公開
「眠り姫」の七里圭が監督・脚本を担い、「ミュジコフィリア」「バジーノイズ」の井之脇海が主演した映画「ピアニストを待ちながら」が、10月12日より東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。同作は2022年10月に東京・早稲田大学で45分版がお披露目され、翌2023年1月にも特別上映が行われた。このたび61分の劇場公開版として生まれ変わる。 【動画はこちら】舞台は深夜の図書館、「ピアニストを待ちながら」予告編 同作の主人公は、真夜中の図書館で目を覚ました青年・瞬介。彼はなぜか外に出られぬまま、学生時代の演劇仲間だった行人や貴織と再会する。そして夜がいつまでも明けない中、3人はかつて上演できなかった芝居「ピアニストを待ちながら」の稽古を始める。井之脇が瞬介、「わたし達はおとな」の木竜麻生が貴織、「ミスミソウ」の大友一生が行人を演じ、澁谷麻美が謎めいたシングルマザーの絵美役、斉藤陽一郎が中年男の出目役で参加した。 ロケ地は早稲田大学の国際文学館(村上春樹ライブラリー)。撮影時に作家・村上春樹が使っていたピアノを演奏した井之脇は「村上さんの小説が大好きなので、本当に幸せな時間でした。僕が弾いた生音が、そのまま使われているので、そこにも注目して観ていただけたら嬉しいです」と思いをつづる。 七里は「ロケの後、超特急で納品に間に合わせた、開館記念の短編。それをもとに、じっくりと音楽を作り、音響や編集に手を入れ、丁寧に仕上げた1時間強の完成品。ついにお披露目です」とコメントした。木竜、大友、澁谷、斉藤から届いたメッセージは下記の通り。 YouTubeでは特報が公開中。なお配給はインディペンデントフィルムが担当する。 ■ 井之脇海 コメント 劇場公開が決まり、とても嬉しいです! この作品は、台本がかなり難解で、最初は分からないことも多く、 チーム全員で一つ一つ立ち止まって、話し合いながら撮影しました。 “分からない”からこそ、あれこれ考えながら見る楽しさが詰まった映画になりましたので、どう受け取っていただけるのか楽しみです。 また、ロケ地の村上春樹ライブラリーに展示されている、 村上さんが実際に弾かれていたピアノを、劇中で演奏させていただきました。 僕は、村上さんの小説が大好きなので、本当に幸せな時間でした。 僕が弾いた生音が、そのまま使われているので、そこにも注目して観ていただけたら嬉しいです。 ■ 木竜麻生 コメント 「ピアニストを待ちながら」公開決定おめでとうございます。 公開が決まり嬉しく思います。 撮影はもう2年前のことで、村上春樹ライブラリーをお借りして夕方から朝方にかけて撮影をさせていただき、なかなか経験できない思い出深いものとなりました。 監督、スタッフ、キャスト、ご一緒した皆さんとだから完成できた作品が皆さんにどんなふうに届くのか今から楽しみです。 ■ 大友一生 コメント 撮影から2年、またこの作品が上映されるのがとても嬉しいです。監督ならびにスタッフの皆様、本当にありがとうございます。 劇中に登場するダンスは何度も稽古を重ねて動きをつけていきました。 そこに井之脇さんの奏でる旋律が合わさって、とても印象深いシーンになっています。ぜひ注目してご覧頂きたいです。 ■ 澁谷麻美 コメント 真夜中のライブラリーで ずっと迷路の中にいるみたいだったけど みんなの声だけに明かりが灯っていました 今も私の亡霊が、あの階段に腰掛けて あの空間を浮遊しているような気がしています ■ 斉藤陽一郎 コメント 夜の帳が下りる頃、私たちは物語の登場人物たち同様に閉館後の図書館に集い、朝日が昇るまで撮影をしていました。 不条理で難解な物語と格闘し、何かが「わかり」そうになった途端にそれはするりと腕の中から逃げていく日々。 そもそも私たちには何かを本当に「わかる」なんていう事が出来るのでしょうか? 「わかった」などとは口が裂けても言ってはいけない気すらしてきます。 しかしこの「わからない」という豊かさの中で過ごす時間は、それはそれは本当に夢のような時間でした。 私が感じた豊かさを劇場で少しでも「わかって」頂けたら嬉しいです。 ■ 七里圭 コメント ようやく劇場公開できます。思い起こせば、二年前。凍えるような寒い時期から早春にかけて、私たちは夜な夜な集まり、深夜の図書館でこの映画の物語そのままに幽閉され。撮影しながら夜明けを求め、模索し続けていた。へんくつな監督の不条理な要求に粘り強く付き合ってくれたキャスト・スタッフの皆さんには、本当に感謝の言葉しかありません。そのロケの後、超特急で納品に間に合わせた、開館記念の短編。それをもとに、じっくりと音楽を作り、音響や編集に手を入れ、丁寧に仕上げた1時間強の完成品。ついにお披露目です。ぜひ劇場で堪能していただきたいです。 (c)合同会社インディペンデントフィルム/早稲田大学国際文学館