台風18号「強い」勢力に発達 沖縄は荒天が長期化か 過去「18号」は大災害が多い
フィリピンの東にある台風18号は、今日29日正午に「強い」勢力となりました。今後も海面水温の高いエリアをゆっくりと北上するため更に発達、「強い」勢力を維持したまま沖縄の先島諸島に接近する見込みです。台風の動きが遅いため、沖縄では荒天が長期化するおそれも。過去、「台風18号」は大災害をもたらす事が多いため注意が必要です。
ダブル台風が北上中 台風18号「強い」勢力に発達
29日(日)現在、日本の南では台風17号、18号と2つの台風が北上しています。 その内、フィリピン付近の台風18号が、今日29日正午に「強い」勢力となりました。強い勢力とは、上から3つめのランクです。台風18号は29日正午現在、中心気圧975hPa、中心付近の最大風速35m/s、最大瞬間風速50m/s、暴風域を伴い、ゆっくり(時速10キロ未満)とした速さで北北西に進んでいます。
台風18号は更に発達 10月2日~3日に沖縄に接近 影響長引くおそれ
台風18号は、今後も海面水温30℃以上と高いエリアを、ゆっくりと北上するため、更に発達。10月1日(火)には、中心気圧955hPa、中心付近付近の最大風速60m/sと、一部の家屋が倒壊するレベルまで発達しピークに。その後、台湾に近づく影響で若干勢力を落としますが、10月2日(水)~3日(木)頃にかけて、「強い」勢力を維持したまま沖縄の先島諸島に接近する予想となっています。 台風18号は動きが遅いため、沖縄では影響が長引く可能性があるため早めの備えをお願いします。また、進路次第では、10月4日(金)は九州でも大荒れとなるおそれがあるため最新の情報をこまめに確認して下さい。
過去 「台風18号」は大きな災害をもたらす事が多い その理由
野球では、背番号18はエースナンバーですが、台風の場合「18号」は、日本列島に大きな災害をもたらす事が多くなっています。 特に、2013年~2017年は5年連続で、鬼怒川決壊や観測史上初めて本土4島(九州・四国・本州・北海道)全てに上陸するなど大きな被害をもたらしました。 大災害をもたらす事が多い理由は3つ 【理由① 発生月日】 台風は平年25個くらい発生し、1月~9月までに18個くらい発生します。そのため、「台風18号」が発生する時期は、9月下旬~10月上旬のことが多いです。過去2013年~台風の発生日時をみても9月下旬~10月上旬が多く、今年2024年の台風18号が発生した9月28日は、今回をいれて4回もあります。 【理由② 秋台風特有のコース】 秋台風特有の列島に接近しやすいコースを通ること。 【理由③ 高い海面水温】 台風は海面から蒸発する水蒸気をエネルギーに発達します。海面水温が高いと水蒸気が多量に供給されるため発達しやすくなります。水は熱しにくく冷めにくいため、気温のピークより遅れて高くなります。日本の南の海面水温は秋でも30℃前後と高いため。 過去の事例をみると「台風18号」は時期的にも発達し、列島に大きな影響を与えやすいものが多くなっています。今回2024年台風18号も動向に注意が必要です。
日本気象協会 本社 福冨 里香