原発事故、退避中に換気大丈夫? 疑問解消へ実証試験開始
原発事故で放射性物質が拡散した場合、屋内退避中に換気をしても大丈夫?―。住民の疑問を解消する行動指針の策定につなげるため、福島県立医大や千葉大などの研究チームが10日、中部電力浜岡原発が立地する静岡県御前崎市で実証試験を始めた。 国が定める原発事故の防護措置は、大量の放射性物質が放出される可能性が高い場合、原則5キロ圏の住民は避難、5~30キロ圏は自宅や避難所に屋内退避すると規定。原子力規制委員会はこれまでに退避期間の目安を3日間とする中間報告をまとめたが、感染症を防ぐための換気方法など細かな行動指針は定めていない。 チームはこの日、御前崎市役所西館を訪問。西館は東京電力福島第1原発事故後、建物内の気圧を上げて放射性物質の侵入を防ぐ「陽圧化装置」を導入した。 チームに加わる空調設備大手の新日本空調(東京)担当者が建物内部を3Dスキャンし、コンピューター上にミリ単位で再現。出入り口の1回の開閉で建物内の気圧がどれだけ下がるか計算し、人の出入りをどの程度制限するかなど、行動指針につなげる。