移住の現実聞かせて! 長野県松本市が当事者にアンケート
地方への移住に関心を持つ人が増える中、長野県松本市は今冬、市内の移住者の現状を把握するアンケートを初めて実施する。移住者のリアルな声を集め、松本市に移住を考えている人たちへの情報提供に活用する。市は「当初思っていた移住生活と違うというミスマッチをなくすため、『先輩移住者』の声を参考にしたい」としている。 アンケート項目は多岐にわたる。地域コミュニティーとの関わりをどう感じているか、移住後に増えた支出は何かなど、生活に踏み込んだ内容が多い。オンラインで実施し、QRコードを印刷したカードの配布を始めた。期間は年内までで、集計後に窓口での情報提供や相談業務で活用する。 市は昨年度、市職員の移住者を対象としたアンケートを実施したところ、さまざまな意見が寄せられた。「人が親切」「街中の飲食店の質が高くて外食に困らない」という意見があった一方、「渋滞が多くてガソリン消費が早い」「地方にしては物価や住宅に関係する金額が高く感じる」と切実な声もあった。 市内への移住者は近年、増加傾向で本年度の上半期(4~9月)は63人が移住した。東京や神奈川など関東圏からが多い。新型コロナウイルス禍以降、リモートワークの普及などで全国的に地方移住がブームとなっており、市移住推進課の担当者は「移住者の現状を正確に把握することで今後の移住促進に役立てたい」と話している。
市民タイムス