10倍よくわかる!「健康診断結果」のトリセツ 人生を変える代表的8項目の「読み方」とは
逆に低すぎる場合は、タンパク質の摂取不足や消化吸収の問題を示している可能性があります。 ALT、AST 肝機能というとγ―GTPというイメージがあるかもしれませんが、ALT(GPT)、AST(GOT)にも留意が必要です。 ALT、ASTは肝臓で働く酵素ですが、肝臓の細胞が壊れると血中に流れ出ます。つまりこれらの数値が高いと肝臓に炎症が起こっている可能性があります。 肝機能が低下すると、タンパク質の合成や、血糖値の安定がうまくいかなくなり、疲れやすくなり、仕事のパフォーマンスも落ちてしまいます。肝臓は異常があっても自覚症状が出にくい臓器。まずはこれらの数値をよく見ましょう。
逆にこれらの数値が低い場合は、タンパク質やビタミンB6の摂取不足を示している可能性があります。 尿酸 尿酸値が高すぎると「痛風」になることはよく知られていると思います。 コレステロールと同じように「体に悪いもの」と思われていることが多いのですが、尿酸も体内において老化を促進する活性酸素を除去する働きをしてくれています。体内で最も多い抗酸化物質なのです。 ですから低すぎるのも問題です。尿酸値が低い人は、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化栄養素の補給を心がけてください。
■健康診断を軽視するとどうなるか いかがでしたか? 健康診断に登場する検査項目は、私たちの体の状況を教えてくれるありがたい数値です。 車の運転をする際には、速度や冷却水の温度、バッテリーの状況、ガソリンの残量などをチェックすると思います。これらをまったく見もしないで運転するなんておそろしくてできません。 それと同じように、私たちも健康に幸せに生きていくためには、自分の体の状況を把握して、必要なメンテナンス(栄養の補給や運動、休養など)をする必要があるのです。
ぜひこの機会に最近受けた健診の結果をもう一度見直す、あるいは今後の健康診断の結果を注意深くチェックしていただきたいと思います。
田村 忠司 :ヘルシーパス代表取締役社長