漫画村元運営者に17億円賠償命令 東京地裁「管理運営に積極関与」
漫画を無断でインターネット上に公開し出版社の権利を侵害したとして、KADOKAWA、集英社、小学館の大手出版3社が、海賊版サイト「漫画村」（2018年閉鎖）の元運営者=著作権法違反などの罪で有罪確定=に、計約19億円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁（杉浦正樹裁判長）は18日、元運営者に約17億円の賠償を命じる判決を言い渡した。 【写真】福岡県警が公開した押収品のパソコンなど＝２０１９年９月２５日、福岡市中央区の福岡県警中央署、棚橋咲月撮影 出版社側は、「ONE PIECE」「キングダム」といった人気漫画などの海賊版約7万3千巻相当が無断掲載され、被害額は約3200億円にのぼると推計。その一部を請求していた。 判決は、元運営者の行為で、「（出版社が持つ）出版権や独占的利用権が侵害された」と認定。賠償額については、各作品の販売額に閲覧数をかけ合わせるなどした額が相当だとの考え方を示し、作品1巻あたりの平均閲覧数は少なくとも7410回との推計をもとに算定した。 判決によると、元運営者の男性は17年6月～18年4月、漫画村の管理・運営に積極的に関与。関係者と共同して出版社側に無断でネット上に漫画を掲載し、不特定多数の利用者が無償で閲覧できる状態にした。
朝日新聞社
