年金を受け取っていたら「遺族年金」はもらえない!?「両方受け取れる」条件とは?
年金保険料を支払っている方や年金の受給資格を持っている方がもし亡くなってしまった場合に、遺族が受給できる年金が「遺族年金」です。遺族年金は、亡くなった本人の配偶者や子どもなどが受け取れます。 しかし、配偶者が自分の年金を受け取る年齢に達していた場合、受け取れない年金が発生するおそれもあるため注意が必要です。いっぽう、状況によっては、自分の年金と遺族年金をともに受け取れる可能性もゼロではありません。 今回は、遺族年金の概要と、遺族年金と自分の年金を併せて受け取れるケースについてご紹介します。
遺族年金とは
遺族年金は、年金の被保険者だった方や、老齢年金の受給資格を有する方が亡くなったときに、遺族が受け取れる年金です。 亡くなった方が加入していた、あるいは受給者だった年金に応じて、受け取れる年金の種類も変わります。表1では、年金の種類や対象者などについてまとめました。
※日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」を基に筆者作成 なお、子どもとは18歳になる年度末までの方です。障害年金における障害等級が1級もしくは2級の場合は、20歳未満が対象となります。
年金は原則1人1年金
もしも配偶者など、遺族年金の対象となる方が65歳以上だと、遺族年金とともに自分の年金も受給対象になります。しかし、年金は1人1年金といって、原則複数種類の同時受給ができません。 同じ種類に属する年金は、2つ受け取れます。例えば、老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に受給できますが、老齢基礎年金と遺族基礎年金は同時受給できません。 ◆老齢年金と遺族年金をもらえるケースとは? 日本年金機構「年金の併給または選択」によると、65歳以上で年金を受け取るようになると遺族年金と併せて受け取れるケースもあるようです。 まずは老齢基礎年金と遺族厚生年金の組み合わせです。日本年金機構によると、65歳以上で老齢基礎年金を受け取っている方が遺族厚生年金にも該当すると、どちらも受け取れます。 ほかに併給できる場合としては、遺族厚生年金が、遺族厚生年金受給者の老齢厚生年金よりも高いケースです。このケースの遺族厚生年金は、老齢厚生年金を超えた分のみを受け取れます。 そのため、もし老齢厚生年金のほうが遺族厚生年金よりも高かった場合、遺族厚生年金は受け取れません。
状況によっては遺族厚生年金を老齢基礎年金ともに受給できる
65歳以上かつ遺族年金の該当者で、老齢基礎年金だけ受け取っている方は老齢厚生年金も受け取れます。また、遺族厚生年金が本人の老齢厚生年金より多い場合も、遺族厚生年金の一部を受給可能です。 なお、これらのケースは特例的措置として扱われているため、申請する際は年金事務所などに確認しておくといいでしょう。 出典 日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額) 日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額) 日本年金機構 年金の併給または選択 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部