独次期首相候補、防衛予算増額でトランプ氏要求履行は約束せず
[ベルリン 8日 ロイター] - ドイツで2月23日の総選挙後、次期首相の座に就くことが最有力視されるフリードリヒ・メルツ氏は8日、防衛予算の増額について、必ずしもトランプ次期米大統領が要求する水準を目指すつもりはないとの考えを示した。 保守政党であるキリスト教民主同盟(CDU)党首のメルツ氏は、CDUと姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)で組む最大野党会派の首相候補。同会派は現在支持率で優位に立っている。 メルツ氏は地元メディアで、トランプ氏が北大西洋条約機構(NATO)加盟国に防衛予算を国内総生産(GDP)の5%まで増やすよう求めていることを巡り「まずドイツは最低限の(GDP比)2%を達成しなければならない。われわれはまだそこに届いていない」と説明した。 その上で「2%や3%、あるいは5%(という目標)は基本的に意味がない。決定的な要素は、われわれが自分たちを守るために必要な行動をすることだ」と強調した。 一方CSUのマルクス・ゼーダー党首は別のメディアで、防衛予算のGDP比は「3%を十分に超える」水準まで大きく引き上げるべきだと語った。 NATOの推計では、加盟32カ国のうち23カ国が2024年中に防衛予算のGDP比2%を達成したもようだ。 ドイツも特別な財源を用意しているため2%の目標は実現できる見込みだが、この財源がなくなる2028年以降に同規模の防衛予算を維持することが可能かどうかはまだ分からない。 メルツ氏は、特別な財源なしで将来の防衛予算を手当てできると主張。これに対して「緑の党」出身で現ショルツ政権のハーベック経済相は先週、ドイツはGDP比3.5%を防衛予算増額目標とするべきだが借り入れを通じてしか達成できないと発言した。