北京自動車ショー開幕、挽回期すドイツ勢の道険し-中国はEVが定着
(ブルームバーグ): 世界的な自動車メーカーの幹部が中国に集まっている。25日に開幕した「北京国際自動車ショー」では電気自動車(EV)の需要鈍化や貿易摩擦の激化、それに欧米の自動車メーカーが中国の消費者を引き付けることができるかどうかが焦点になりそうだ。
ドイツ勢ではフォルクスワーゲン(VW)が44モデルを展示。その半数がEVだ。メルセデス・ベンツグループはスポーツタイプ多目的車(SUV)「Gクラス」のEV版を披露したばかりで、その最新コンセプトカーでアピールする。
中国市場で2023年10-12月期にドイツ勢のシェアは6年ぶりの低水準となったが、VWとメルセデスは巻き返しを狙う。
ただし、失地挽回は容易ではない。一般的に中国人ドライバーは中国語の音声コマンドに反応し、現地のソーシャルメディアにリンクできる比亜迪(BYD)をはじめとする国内メーカーのハイテクやガジェットを満載した車を好む。
上海のコンサルティング会社オートモビリティーの創業者で最高経営責任者(CEO)のビル・ルッソ氏は、EVが定着しつつある中国市場で外国の自動車メーカーは競争力を備えていないとみている。
同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、華為技術(ファーウェイ)が協力しているEVブランド「Aito」や小米のSUVなど中国のハイテク企業が投入したEVは販売台数を伸ばしており、ガソリン車の過剰在庫は悪化するばかりだと指摘。
過去数年間で大きく縮小しているガソリン車市場だが、EVの価格競争による値引きが「ICE(内燃機関)車のレーンをさらに狭くしている」と述べた。
伝統的な自動車メーカーは中国の消費者が求める乗用車を造っていないとするルッソ氏によれば、こうしたメーカーはまず中国の「エコシステム(生態系)とマインドセット(物の見方)をどのように自社に取り込むかを考え、ここでそれを実行することから始めること」が必要だという。