水木一郎50周年!70歳でルンルンの理由
デビュー50周年を迎えた歌手、水木一郎。 「70歳になりましたけど、ルンルンなんですよ。ステージに立っても年を取ったと思わないし、声も出ちゃうし」 街を歩いていても、芸能に疎い人たちからは水木一郎ではなく、 「ゼットの人だ!と呼ばれるんです。それでいいんですよ、知られればいいので」 屈託なく笑う。10月24日には、未発表曲も含めた50周年記念アルバム『Just My Life』がリリース。そのエネルギーの源泉に迫った。
ビング・クロスビーやフランク・シナトラになったつもりで
ひとくちに50周年というが、実に半世紀だ。ジャンルを問わず、歌手としてこれだけの長い期間を現役で生き抜くのは並大抵のことではない。 「自分で言うのもおかしいですけど、現役で毎年新曲も出せて、本当にラッキー。運がいいのか、実力があるのか、人柄がいいのか」 ジョーク全開で笑い飛ばす。 生まれる前、実家がレコード店だったという。東京大空襲で焼けて世田谷に疎開、父親はクリーニング店を始め、そのとき水木が生まれたのだとか。 「まだ珍しかったステレオが家にあったんですよ。母親が好きだったスタンダードジャズが子守歌がわりでした。僕も体に自然と洋楽が身に沁みついて、5歳の時には歌手になろうと思ってました。キャラメル工場に遊びに行くと、キャラメルのくずをただでくれて、それをかみながらでたらめ英語ででたらめな歌を歌ってたんです。ビング・クロスビーやフランク・シナトラになったつもりで」 その後、作曲家・和田香苗の門下生となり、一度は歌謡歌手としてデビューもしたが、鳴かず飛ばず。1971年に、日本コロムビアからアニメ『原始少年リュウ』のオープニングテーマ『原始少年リュウが行く』でアニメソングの歌手として仕切り直し。以後は、『超人バロム・1』、『変身忍者 嵐』、『アストロガンガー』、『マジンガーZ』、『バビル2世』、『ロボット刑事』、『仮面ライダーX』など、70年代から80年代にかけてアニメ・特撮作品の主題歌や挿入歌でアニソンの帝王に登り詰めて行った。