定年退職した日本人のほとんどが失敗する…「幸福な最期」を手に入れられる人と「不幸な最期」を送る人の「決定的な違い」
「DNAのランプ」とは
野球に限らず、あらゆる仕事において、「三昧境」に達するぐらい努力を続けなければ、「自分は努力している」などと言ってはいけないと、心すべきです。 「あの仕事は俺が人一倍努力したことで成就した」などと言うのは思い上がりというものです。どんな人間も、そんなに格好よく生きられるわけがない。なぜなら、百点満点の人間などこの世にいないからです。人間には、プラスもあればマイナスもある。○だけでなく、△も×もいっぱいある。だからこそ、努力を続けなければいけないのです。 毎日努力を続けていると、あるとき、今まで気付かなかった自分の能力や才能が開花する瞬間があります。「あ、仕事のコツがわかってきたかも」「難しいと思っていた仕事が苦にならなくなってきたぞ」と感じる経験が、皆さんにもきっとあるはずです。 こうした瞬間を、遺伝子のなかに眠っていた能力が開花したという意味で「DNAのランプが点る瞬間」と私は呼んでいます。 このランプが点るまで、努力を続けることが大事です。一回ランプが点ったらそれで終わりではなく、さらに努力を続けていけば、次のランプ、そのまた次のランプが点ります。つまり、いくつになっても成長できるということです。 棺桶に入る直前だって、DNAのランプは点るかもしれない。六〇そこそこで「人の何倍も努力してここまで来た」と満足して努力をやめてしまうのは、これから先の数十年間に味わえるはずの「成長する喜び」を、みすみす捨てて生きるのと同じです。 さらに連載記事〈ほとんどの人が老後を「大失敗」するのにはハッキリした原因があった…実は誤解されている「お金よりも大事なもの」〉では、老後の生活を成功させるための秘訣を紹介しています。
丹羽宇一郎