35歳の王者、37歳の挑戦者によるベテラン生き残り戦 ぬきてるみに軍配 WBO女子アジアパシフィック・バンタム級タイトルマッチ
◆プロボクシング ▽WBO女子アジアパシフィック・バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ8回戦 〇王者・ぬきてるみ(判定)菊池真琴●(9日、東京・アリーナ立川立飛) メインで行われたWBOアジアパシフィック・バンタム級タイトルマッチは、王者・ぬきてるみ(真正)が判定の末、菊池真琴(石川ジム立川)を下し、初防衛に成功した。試合はぬきがプレスをかけながら主導権を握り、中盤以降は菊池も左右のフックで応戦。6、7回は壮絶な打ち合いとなったが終始、攻めきったぬきが勝ちきった。 王座を守ったぬきだが「攻めて倒さないといけない。きょうは(10点中)5点」と試合後は反省が口をついた。今後については「次は世界と決めている」と22戦全勝(9KO)のWBO世界王者のディナ・ソルスランド(デンマーク)をターゲットに世界タイトル挑戦を目指す。 戦績は35歳のぬきが15勝(10KO)5敗、37歳の菊池が4勝(1KO)2敗。 初防衛戦に臨んだ王者のぬきはこれまで、17年7月にWBC女子世界バンタム級、18年2月にIBF女子世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)、18年8月に再びWBC女子世界バンタム級と3度の世界戦を経験。しかし、いずれも0―3の判定で敗れた。 それでも、今年1月のWBO女子アジアパシフィック・バンタム級王座決定戦で、モニカ・シング(インド)に6回TKO勝ちしてタイトル奪取。悲願の世界王座をつかむための道を切り開くには、「もう負けられない。勝って世界に行く」と強い決意でこの日のリングに上がっていた。 苦手のサウスポー相手だったが、終始、左フックを有効に使って主導権を握り、判定にはもつれこんだが完勝だった。 一方、挑戦者の菊池は昨年11月にポーンチッタ・シーハブラン(タイ)を判定で下し、東洋太平洋女子スーパーバンタム級(55・3キロ以下)王座を獲得。「世界へ行くならバンタム級かなと感じている」と王座は保持したまま、階級を下げての挑戦となった。相手は強打のイメージですが、真っ向から打ち合うシーンがあってもいいと思っています」と覚悟を決めて試合に臨んでいたが、勝利をつかむことはできなかった。
報知新聞社