根室で稚ガニ放流スタート 過去最高の87万匹生産
北海道の根室を代表する味覚「花咲ガニ」の資源増大を目指し、根室半島沿岸で実施している稚ガニの放流が26日から始まった。市栽培漁業研究センターでの4年目の生産で、今年は過去最高の87万匹を生産。花咲、落石、友知の沿岸で放流する計画で、初日は落石で29万匹を放流した。 市水産研究所は、昨年6月に抱卵した親ガニ196匹から幼生126万匹を確保した。生産スケジュールの見直しで水槽の数を2基増やしたことで幼生の収容量が増え、最終的に前年を4万匹上回る87万匹を生産。生残率は69%だった。 26日は同研究所の職員、落石漁協職員、漁業者など6人が参加し、甲長2㍉に育った稚ガニを落石で放流した。今後は30日に友知で29万匹、5月1日に花咲で29万匹を放流する予定。 放流に参加した同研究所の和田公彦主任は過去最高の生産数について「稚ガニをたくさん放流できることはそれだけ地元の水産業への貢献になり良いこと」と話していた。次年度は生残率の向上に向け、さらなる飼育環境の改善を目指すほか、より効率的な大量種苗生産方法を確立するための検証も引き続き継続する。
釧路新聞