「魔女」と呼ばれるドローン兵器により毎日仲間が死亡…!「核使用やむなし」の声も…!ロシア軍唯一の日本人義勇兵が告白「最激戦地にいる兵士たち」が抱いている「戦争への本当の思い」
敵の兵士を尊敬している
両軍の死傷者は50万人以上にのぼるとされ、今年7月23日には林芳正官房長官が、ロシア側の義勇兵だった20代の日本人元自衛官が死亡したと発表した。'23年10月頃にロシアへ来たこの元自衛官とも、金子氏は親交があったという。 「5月28日の深夜から翌日の早朝にかけて行われたウクライナ東部への突撃作戦の際に、迫撃砲を受けて亡くなった、と元ピャトナシュカ旅団のメンバーから連絡がありました。戦地に出た初日か2日目だったそうです。迫撃砲が放たれると『危ない』や『伏せろ』と指示されるのですが、彼はロシア語が堪能ではないため避けられなかったのかもしれません」 一人でも多くの敵を殺してやる―ロシアに来た当初はそう思っていた金子氏だが、同じ日本人義勇兵の死や過酷な戦場を経験することで、心境の変化も生まれた。 「この戦いの正義はどちらにあるのか。実際に戦ってきて思うのは、どちらにもあるし、どちらにもないということです。ただ、同じように苦しい思いをし、死を覚悟して戦っているウクライナの兵士に対し、尊敬の念があるのは確か。それは彼らも同じだと思う。だからこそ、一日でも早く戦闘が終わり、一人でも多くの兵士が生き残ってほしい。心の底からそう思っています」
途絶えてしまった連絡
終わりの見えない戦争に、ロシア国内では「終結のためには核兵器の使用も仕方ない」との気運が高まっているという。 「私自身は、死ぬことはまったく問題にしていません。あっさりとでも、苦しんででも、この過酷な生活が終わりになるならそれでいいとすら思っている。私を温かく受け入れてくれたロシアの仲間たちと、最後まで戦うだけです」 金子氏への取材は数回にわたり行われたが、8月11日の「近々、(ウクライナが越境攻撃をしている)ベルゴロドにいるアフマット本体と合流する予定です」という言葉を最後に、連絡は途絶えた。 戦争には各国の思惑が渦巻いているが、戦場では数多くの兵士の命が失われている。その事実を忘れてはならない。 「週刊現代」2024年8月24・31日合併号より
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