鹿児島県の産廃処分場、借入金59億円償還困難に 搬入量が低迷、返済ずみは2.5億円どまり
鹿児島県は3日の県議会代表質問で、産業廃棄物管理型最終処分場「エコパークかごしま」(薩摩川内市)について、運営する県環境整備公社が県からの借入金59億円を収益から全額償還するのは困難だとの認識を示した。物価高騰による運営費の上昇や搬入量の低迷により、収入が予想を下回っているため。同処分場の埋め立て利用は2029年度までで、これまでの返済は2億4500万円にとどまっている。 【写真】〈資料写真〉埋め立て量が全体の約6割となったエコパークかごしま=薩摩川内市
県民連合の宇都恵子議員(鹿児島市・鹿児島郡区)の質問に答えた。県は当初、埋め立て終了までの収入は114億円、支出は借入金の返済も含めて113億円と試算。約1億円の収益が出ると見積もっていた。 エコパークの搬入可能量は60万トン。県外施設の利用やリサイクル意識の向上により、10月末時点の埋め立て量は35万5000トンと目標を下回る。現在のペースでは埋め立て終了までに満杯にならないという。 県によると、公社による借入金の返済は23年度が初めて。返済可能見込み額について、県は搬入量が変化するとして「現段階では分からない」としている。不足額の補填〔ほてん〕方法は、今後検討するという。 エコパークは15年に操業開始し、汚泥や燃えかすも捨てられる管理型の産業廃棄物処分場としては県内唯一の施設。埋め立て期間について県は、地元とも合意している29年度までが前提とする。代わりとなる管理型の産業廃棄物処分場については、民間が湧水町への建設を計画している。
南日本新聞 | 鹿児島