中国の社債利回り最低水準に-リターン高める動きで資金流入加速
(ブルームバーグ): 中国の金融システムの流動性が潤沢で、リターンを高めるために投資家が社債を買う動きを強める中、利回りが過去最低水準に低下している。
チャイナボンドの指数によると、中国本土の3年物AAA格社債の平均利回りは今月、26ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、過去最低の2.25%となった。10年物や20年物など償還期間がより長い社債も同じ傾向にある。
中国当局は銀行向けに長期流動性供給を強化するなど景気支援策を講じ、異例の債券ラリーに拍車が掛かっている。中国の30年国債利回りは19年ぶりの低水準に近づく。一方、当局は地方政府債務リスクの解消に取り組んでおり、債券投資家にとっては高利回りの選択肢は限られる。
債券利回りがあまりにも低くなっており、中国人民銀行(中央銀行)は不快感を示し始めている。人民銀系メディアの金融時報が23日報じたところでは、人民銀は長期債利回りに注意を払う必要性を強調。中国の長期債利回りは同国の長期的な経済成長期待に見合う合理的な範囲内で推移する見通しだと、匿名の人民銀当局者を引用して金融時報が伝えた。
中国企業の借り手は過去最低の借り入れコストの追い風を生かそうとしている。ブルームバーグの集計データによると、今月これまでに償還期間10年以上の社債発行額は3172億元(約6兆7800億円)と、記録的な規模に膨らんでいる。
南京証券の債券アナリスト、楊浩氏は「コスト管理のため、超低金利環境下で期間が長めの債券を発行すれば、短期的に債務を返済するプレッシャーもなく、発行体がこれを選好するのは間違いない」と述べた。
原題:China’s Credit Yields Drop to Record Lows on Bond Bull Run (2)(抜粋)
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