空気中で育つ「奇妙な植物たち」 札幌でエアープランツ展
【北海道・札幌】札幌市の中心部から車で10分ほどの場所にある、花と緑に満ちた生活を提案する豊平公園(札幌市豊平区)。その中心的施設である「緑のセンター」で「エアープランツ展~奇妙な植物たち~」が6月26日(日)まで開かれています。
水分補給と光合成を同時に行う葉を持つ
エアープランツとは、その名の通り空気に触れさせるだけで生きていける植物のことで、原産地は中南米など高温多湿の地域が中心です。根もあるのですが、普通の植物のように「栄養や水を吸い上げる」役割ではなく、「木や岩に着生する」役割を果たしています。 では、どうやって生きているのか。それは、葉が空気中の水蒸気を吸い取っているからです。エアープランツは、葉で水分補給と光合成を同時に行うことができるので、空気中に置いておくだけで生きていくことができます。 そのエアープランツ40種類・100株近くが展示されているのが「エアープランツ展~奇妙な植物たち~」です。豊平公園を管理している札幌市公園緑化協会の畠山幸子さんによると「エアープランツ展は5年ほど続けている展示で、世話をするのが楽だということもあり人気が出てきている植物です」とのこと。空気中に置いておくだけで育つということで「湿気の多い給湯室の戸棚の上に置いてあったエアープランツが知らぬ間に成長し、突然落ちてきた」(畠山さん)という笑い話もあるとか。
日本では育て方にちょっとした工夫も
しかし、中南米と日本では気候が違うため「置いておくだけで大丈夫だというのにエアープランツが枯れてしまった」ということは少なくないそうです。 「日本は中南米に比べ湿気が少ないため、風通しをよくしたり霧吹きで水を吹きかけたりする必要があります。とはいえ、ほかの植物と比較すると育てるのは簡単です。また、鉢や畑を必要としないので、自分なりのアレンジができるというのも魅力です。テーブルの上に置くだけで絵になる植物なので、使い勝手もいいと思います」と畠山さん。 今回の展示ではエアープランツの販売もあるので、すぐにエアープランツ生活をスタートすることもできます。 「エアープランツ展~奇妙な植物たち~」は6月26日(日)まで。また、緑のセンターは7月19日から2週間休みとなり、8月2日にリニューアルオープンする予定です。 (ライター・橋場了吾)