美容、ストレス軽減… 国産果実のゼリーやジュース 栄養・機能性に注目
ゼリーやジュースなど、国産果実を使った加工品で、栄養や機能性を打ち出した商品が増えている。美容に役立つ栄養素や、機能性が認められた成分によるストレス低減効果などをパッケージに表示し、アピールする。近年高まる消費者の健康ニーズに訴求することで、国産果実の消費拡大が期待できる。 【画像】無印良品「肌のことを考えてつくったゼリー」 生活雑貨ブランドの「無印良品」を展開する良品計画(東京都文京区)は5月、国産果実を使った「肌のことを考えてつくったゼリー」を発売した。果実の種類と、健康的な肌を保つのに役立つ栄養素や成分を組み合わせ、3商品を展開する。 愛媛産伊予カンのゼリーは1日分のビタミンC、国産白桃のゼリーは米由来の乳酸菌500億個、青森産リンゴのゼリーは1食分の食物繊維がそれぞれ摂取できる。同社は、習慣的に摂取量が少ない栄養素を「ゼリー飲料という手軽な形で時間がない朝や食欲がないときも、おいしく補給してほしい」とする。 ポンジュースなどを製造・販売するえひめ飲料(松山市)は、機能性表示食品の国産かんきつジュース「アシタノカラダ」シリーズを展開する。高めの血圧を下げる機能や一時的な精神的ストレス・疲労感を緩和する機能を持つ、ガンマアミノ酪酸(GABA=ギャバ)を多く含む「清見」を使った商品など、3種類のジュースを同シリーズで販売する。同社は今後も「かんきつの機能性を生かした商品を開発・販売していきたい」とする。 民間調査会社の富士経済は、2023年の機能性表示食品の国内市場規模は前年比19・3%増の6865億円と推計する。24年以降も市場規模は拡大が予測される。消費者の健康ニーズが高まる中、国産果実の品質の高さに加えて機能性を前面に打ち出す加工品は伸びそうだ。
日本農業新聞