68歳の父が「年金6万円で生活できる」と言いますが正直不安です…子どもとしてできることはありますか?
親の老後の生活は、たとえ本人が大丈夫といっていても、心配になる方は多いでしょう。少しでも親の負担を軽減するためには、扶養に入ってもらうことも有効な方法のひとつです。 また、見守りサービスや仕送り、同居など、扶養以外にも、親を支援できる手段はあります。家族に合った方法を選ぶことが大切です。 今回は、年金暮らしの親のために、子どもができることについてご紹介します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
子どもが働いていて社会保険に加入していれば扶養控除が利用できる
親を子どもの扶養に入れられれば、親は健康保険料を負担せずにすみます。さらに、子ども自身も扶養控除を受けられるため、税金の節約にもつながる点がメリットです。 国税庁によると、納税者の扶養親族とみなされる条件は、以下のとおりです。 ●配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)、または都道府県知事から養育を委託された児童、もしくは市町村長から養護を委託された老人 ●納税者と生計を同じくしていること ●年間の合計所得金額が48万円以下 ●青色申告者の事業専従者として1年間で一度も給与を受け取っていない、もしくは白色申告者の事業専従者ではないこと 年金収入のある方の場合は、年金収入から控除を引いた雑所得が48万円以下ならば、子どもの扶養に入れます。65歳以上で、年金収入のみの方の雑所得を求める計算式は、表1のとおりです。 表1
※国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)No.1600公的年金等の課税関係」を基に筆者作成 年金を月6万円受け取っている場合は、年間の受給金額は72万円で、雑所得は0円のため、扶養に入れることは可能です。親が扶養親族に認定されれば、子どもの所得が900万円以下の場合で、38万円の控除を受けられます。 もし親が「子どもに迷惑をかけたくないから」と扶養に入りたがらないときは、子どもにも税金の面でメリットがあることを伝えてみましょう。
扶養以外でできること
親の生活支援は、扶養に入ってもらうことだけではありません。こまめに連絡をするなどして、つながりを保つことで、親に緊急事態が起こったときにもすぐに対応しやすくなります。 ■高齢者見守りサービスを利用する 親と同居していない場合は、高齢者見守りサービスの利用を検討してみましょう。親の居住範囲内における生活動線に動きがなかった場合に確認をしてくれたり、非常時には緊急通報ボタンを押すと駆けつけてくれたりします。 家族がなかなか様子を見られない夜間や早朝に限って利用できる見守りサービスもあるため、家族の状況に応じて利用するサービスを決めましょう。 ■家族と相談したうえで仕送りや同居を検討する 親と相談したうえで、仕送りをすることも方法のひとつです。生活費の支援をすれば、親は年金の費用を、病院代や交友費などに回せます。また仕送りをすることで、生計を同じくしていることになるため、扶養控除の対象にもなります。 なるべく早く親の異変に気づくためには、同居も有効です。緊急時にも、すぐに対応できます。