寒天、しみ豆腐…諏訪地域の「しみ食材」味わい尽くそう 「凍みマップ」8千部作成 飲食店や販売店掲載
寒天やしみ豆腐など寒さを生かした「しみ食材」が根付く長野県諏訪地域の魅力を知ってもらおうと、有志が「凍(し)みマップ」を作った。食材を購入したり、料理が食べられたりする店をまとめた他、限定メニューを出す飲食店も紹介。観光の閑散期となる冬の食の目玉とし、地元の人にも伝統の食文化に触れてほしいとの願いを込めた。 【写真】凍みマップ マップは広げるとA3サイズ。製造業者や飲食店主らでつくる「凍(し)みでつながるプロジェクト」が企画した。プロジェクトは昨年、寒天製造などのイリセン(諏訪市)の茅野市内の工場でしみ食材に触れるイベントを開催。イベントが好評で「第2弾」として今回のマップを作った。 制作に当たり、しみ食材を使った料理の提供に賛同してくれる飲食店を探したところ13店が協力。寒天を使ったあんみつやしみ豆腐の肉巻きなど各店が工夫を凝らしたメニューが2月いっぱい提供される。マップにはしみ食材を購入できる店や製造体験の場所も示している。 茅野市湖東の飲食店「森の家花蒔(はなまき)店」は、ふきみそと一緒に食べる長芋入りの寒天寄せやしみ大根の煮物を加えたランチメニューを用意。店を経営する北原芳行さん(73)は「昔は寒さを利用した食材が身近にあって当たり前だった。寒さと仲良くしながら暮らしてきたことを体験しに来てほしい」と呼びかける。 マップ作りに携わった寒天製造・販売のイリセン社長の茅野文法さん(43)は「県外の人には『しみ食材』が魅力的に映る。(寒天などを)大量生産して流通するという流れが厳しくなる中、しみ食材そのものの価値を上げていきたい」と話している。 マップは8千部作成し、無料。参加店舗や諏訪地域のホテルに置いている。家族で地域の食文化に触れるきっかけになるよう茅野市内の保育園や小中学校にも配布する。