北島三郎が約1年4カ月ぶりに生歌唱 骨折の経験振り返り「転ばないよう気をつけて」
演歌の大御所、北島三郎(88)が5日、東京・八王子市のJ:COMホール八王子で開かれた歌謡祭「令和・歌の祭典2024」(日本クラウンなど主催)に特別ゲストとして出演した。 特製車いすに座ったまま、冒頭で細川たかし(74)や鳥羽一郎(72)、純烈ら歌手仲間32人と代表曲「北の漁場」を合唱。この日に発売され、自らの半生を歌った「東京の空」や代表曲「風雪ながれ旅」なども歌い、ラストでは代表曲「まつり」を会場とも大合唱し、終始元気な歌声で満員の拍手を浴びた。 観客を前に生歌唱するのは、昨年6月29日に建て替え前の中野サンプラザで開かれた「令和 歌の祭典2023」以来、約1年4カ月ぶり。先月4日に88歳の米寿を迎えたばかりとあって、「皆さんに支えてもらって歌ううち、あっという間に88歳になりました。生かされているので、その分、一生懸命に生きたい。ありがたいです」と感謝、仲間の歌手たちからも祝福された。 司会はフリーアナウンサー、徳光和夫(83)、アシスタントは北島の三女で女優、水町レイコ(50)が務めた。北島は「原譲二」のペンネームで自らだけでなく仲間の歌手に多くの歌を提供してきたが、「この名前はもともと、何を食べても『腹が丈夫』だったから付けたんです」とニッコリ。水町から「父はいつもピアノで作曲するんです」と明かされると、「ピアノは弾いても、布団はひきません」と照れ、軽口でも会場を笑いに包んだ。 歌唱前の会見では、2016年9月に手術した頸椎(けいつい)症性脊髄症や19年11月に自宅で転倒し足の指7本を骨折したこと、23年に大腿(だいたい)骨を骨折したことに触れ、「皆さんも転ばないようにしてほしいし、健康にも気をつけて」と広くアピール。「これからも先輩づらしないで、定められた命の限り、すてきな仲間たちと歌の道を歩いていきたい」と力強く誓った。 この日の公演は正味約4時間。予定より1時間オーバーの長丁場になったにもかかわらず、北島は語り口も滑らかで最後も「日に日に寒くなります。風邪などひかぬよう。風邪をひくなら、リヤカーを引いた方がいいですよ」と呼びかけ、再び会場を笑いに包んだ。