「原爆」連想のファンアート続々――米映画「バービー」公式SNSで物議 「侮辱的」「ネタにしていいものではない」…広島県民「受け入れられぬ」
日テレNEWS
アメリカ映画「バービー」の公式SNSが、原爆を連想させ、原爆をやゆするようなファンアートの画像に好意的な投稿をしたとして批判が相次ぎました。配給元は「無神経な投稿」として謝罪。広島では反発する声が上がり、市民団体は署名サイトを作りました。
■『バービー』×『オッペンハイマー』
アメリカのワーナー・ブラザースが配給し、11日から日本でも全国ロードショーされる映画『バービー』。そのバービーを巡り、ある画像がSNSで拡散されています。 その画像でバービーを担いでいるのは、原爆の開発を主導した物理学者の人生を描いた映画『オッペンハイマー』で“原爆の父”と呼ばれる男性を演じた俳優です。
■映画人気で「ファンアート」社会現象に
『バービー』と『オッペンハイマー』の2つの映画は7月21日にアメリカで同時に公開され、大ヒットしています。 ロサンゼルスでは、2作品を同日鑑賞する人たちから「『バービー』がこのシアターで3時から上映されます。その後、6時上映の『オッペンハイマー』を見ます」「私たちは『バーベンハイマー』って呼んでいます」という声が聞かれました。 2作品を続けて鑑賞する“バーベンハイマー”という造語が生まれ、バービーと原爆投下を連想させる、2つの世界観を掛け合わせたファンアートが次々と誕生しました。SNSで拡散されるなど社会現象になりました。
■公式アカウントが反応、配給元が謝罪
これに反応したのが『バービー』の公式アカウントです。 燃え盛る炎の中、オッペンハイマーがバービーを担ぐ画像には「忘れられない夏になりそう」とコメント。バービーの髪がきのこ雲のように変えられた、原爆を揶揄(やゆ)するような投稿には「このスタイリングはきっとケン(映画の登場人物)だね」。 こうした冗談めいた返答に「ネタにしていいものではない」などと批判が相次ぎました。ロサンゼルスにいた人からも「これはかなり侮辱的ですね。なんで? 誰が作ったの?」と疑問の声が上がりました。 配給元のワーナー・ブラザースは、「最近の無神経なソーシャルメディアへの投稿について、心からお詫び申し上げます」とする声明を発表しました。同社によると、問題となった公式SNSの投稿は、既に削除したということです。