「感謝しかない」青森2区落選の松尾さん
「多くの人のおかげで最高の選挙戦ができた。結果は私の不徳の致すところ」。松尾和彦さんは、自民候補の当選確実をテレビが報じてからしばらくたった午後8時20分過ぎ、青森県八戸市の八戸グランドホテルに姿を見せ、待っていた支持者らと握手を交わした。 国政に挑んだきっかけは、長年の付き合いがある立憲民主党県連代表の田名部匡代参院議員からの働きかけだった。9月29日、三戸郡の町村議員有志から、2日後には党三八支部、十和田市支部所属の地方議員から出馬要請を受けた。町長職を途中で辞することになるため悩んだが、地域の声を届けなければいけない－と公示が目前に迫る今月7日、正式に出馬を表明。超短期決戦に臨んだ。 立民県連の支持を受けるものの無所属での出馬。比例復活の道が閉ざされ、政見放送がないなどの制約を受ける中でも「公認と無所属のどちらがプラスかは、見方次第だから分からない」とひたむきに支持拡大を訴えた。 街頭には連日、田名部代表や、父の田名部匡省さんから親子2代の支援者「田名部党」の地方議員らが並び、応援のマイクを握った。演説では「多くの皆さんの協力で選挙戦を展開することができた」と口にした。「田名部党の支援は絶大なものがある。幅広い支援体制をつくってもらった」と手応えを語っていた。 演説では参院副議長を務めた義父の故・官平氏をたびたび引き合いに出した。敬愛する義父に続く「三戸郡の国会議員」となることはかなわなかったが、「一緒に活動していただいた皆さんには心から感謝しかない」と語った。 今後の政治活動については「田名部参院議員と相談して考えたい。これからは三戸町の外に出てみんなと汗をかきたい」と話した。
