ハリコフ州ボフチャンスクで市街戦 ロシア、ルガンスク州の集落制圧と主張
ロシア軍によるウクライナ東部ハリコフ州への越境攻撃で、同州のセメヌハ副知事は20日、攻防が焦点化している小都市ボフチャンスクについて「60%をウクライナ軍が確保しているが、露軍は攻撃の試みをやめていない」とし、市街戦が起きていることを認めた。また、州都ハリコフの玄関口に当たる東方のクピャンスク方面でも戦闘が起きているとした。 【写真】ウクライナ・ハリコフ州ボフチャンスクへの砲撃で損壊した建物 地元テレビでの発言としてウクライナメディアが伝えた。 露軍が10日に着手した越境攻撃を巡っては、プーチン露大統領が17日、目標は露領土へのウクライナ軍の攻撃を防ぐ「緩衝地帯」を国境周辺に確保することであり、州都ハリコフを占領する計画は「現時点でない」と主張。露国防省はこれまでに国境周辺の集落13カ所を制圧したとしている。 一方、露国防省は20日、ウクライナ東部ルガンスク州の集落ベロゴロフカを制圧したと主張した。ベロゴロフカは2022年9月の電撃的な反撃でウクライナ軍が奪還した集落の一つ。ロシアの主張が事実であれば、ウクライナ軍がハリコフ州の防衛戦に予備戦力を投入した結果、他方面の防衛が手薄になっていることを示唆した形だ。 露軍のハリコフ州への越境攻撃後、ウクライナ軍はこれまで膠着(こうちゃく)状態だった南部ザポロジエ州でも露軍に前進を許したとされる。