「50代、知識ゼロからの田舎暮らし」新たなミッションは「溝を掘って120坪を囲め」ってマジですか
自然のなかで田舎家に暮らし自給自足……そんな理想を追いかけて、茨城県に一軒家を購入した著者、姉、そして母の3人組。化学物質過敏症のため機械も入れられず、石のように固い粘土質の土壌をやっとの思いで耕しはしたものの、苦役はまだまだ終わらない。フラフラ・ヨレヨレになりながらの田舎暮らし連載、今回も最後までどうぞご覧ください!! 【マンガ】300万円でそんな広い家が買えるわけねーべさ! 第1回【「知識ゼロ、資金ゼロだけど、田舎に移住したい…」自給自足の暮らしに憧れた50代漫画家の「大誤算」】はこちらから
耕し始めたばかりの庭は風と雨に蹂躙され……
たまたま知ったのですが、茨城県では「笠間焼」とか「つくばね焼」っていう陶磁器がつくられているそうですね。おまけに、そのための土は私たちが家を買った地域からもとれるのだそうです。 ということは……、我が家の庭の土は、野菜作りではなく、もしかして製陶に向いていたのかしら? いやいや、今さらそんなことを考えても仕方がありません。陶工に転職するつもりはカケラもないので、とにかく豊かな菜園をめざし、必死で耕し続けるしかないのです。手をマメだらけにし、肥料を大量投入して、なんとか野菜が生育できる環境を整えてきたことは、前回の記事に書いた通り。 そして季節は初夏から夏へ。植物がぐんぐん成長する時期です。ここで私たちは、新たに自然の厳しさを思い知ることになったのでした。 とにかく風がすさまじい! 我が家は築21年。季節風や夕立で大風が吹こうものなら、住人ごと飛ばされてしまうんじゃないか!? っていうくらい、ミシミシ揺れるんです。 庭にあるものは、地面に固定する「地球ロック」をかけていないと、突風に持っていかれてどこかへ行ってしまう。 そうかと思うと、ちょっとビックリするような大きさのトタン板がすっ飛んできます。庭木にひっかかって止まったからいいようなものの、建物を直撃なんかした日には、たまったもんじゃないな……とヒヤヒヤしました。 雨もまた凄まじい。文字通り滝のように、容赦なく降るわ降るわ。前に住んでいた地域はそれほど降水量の多い地域ではなかったので、圧倒されて言葉も出ないほどでした。 私たちが購入した一軒家は、ちょっとした丘の中腹に位置しています。この地域には、雨水を流す側溝がない場所もあったりするので、行き場を失った水は丘を流れ下りながら次々と合流し、ドドドドーッと流れて我が家の庭を蹂躙(じゅうりん)していきました……。