【オークス展望】桜花賞馬ステレンボッシュの2冠阻止へ立ちはだかる〝別路線組〟の実力馬
[GⅠオークス=2024年5月19日(日曜)3歳牝、東京競馬場・芝2400メートル] 過去10年の勝ち馬のうち7頭がGⅠ桜花賞からの直行組(GⅡフローラS組=1勝、忘れな草賞組=2勝)。距離は一気に延びるものの、ダービー同様に2冠目は王道路線の強さが際立つ。今年は2着馬アスコリピチェーノこそNHKマイルC(2着)に向かったが、桜花賞上位馬が揃って参戦。今年も桜組が力を見せつけるのか? それとも他路線組の逆襲があるのか? 主役はスターズオンアース→リバティアイランドに続く3年連続の「春2冠」を目指すステレンボッシュ(国枝)。桜花賞では、阪神JFで先着を許したアスコリピチェーノを今度は差し切ってのGⅠ初V。血統面からも距離延長に大きな不安はなく、これまで何度も乗り替わりで結果を出してきただけに戸崎圭へのスイッチも何ら問題あるまい。 ライトバック(茶木)はメンバー最速の32秒8の末脚を駆使して桜花賞で3着に浮上。GⅢアルテミスSでは出遅れも響いて4着に敗れたものの、その決め手は東京向きだ。他方、桜4着のスウィープフィート(庄野)はややスムーズさを欠きながら勝ち馬と0秒2差まで追い上げた。祖母スイープトウショウは04年のオークスで2着と涙をのんだ。そのリベンジがかかる一戦となる。 桜花賞8着クイーンズウォーク(中内田)は早くからオークス向きと公言されてきた。前走はマイルの速い流れの中で伸びを欠いたが、500キロを優に超える雄大な馬格から広い東京の長丁場ならガラリと変わっていい。また、チェルヴィニア(木村)は13着に終わった桜花賞が約半年ぶりの実戦。〝伝説の新馬戦〟で2着し、アルテミスSを完勝した素質が黙ってはいまい。 王道組に挑む他路線組ではGⅡフローラS勝ち馬アドマイヤベル(加藤征)。デビュー2戦目から牡馬相手の中距離戦を使われ、早くからこの舞台を意識したローテが組まれてきた。2400メートル自体は未知数とはいえ、桜花賞組に対して距離に関してアドバンテージはあろう。10年サンテミリオン以来のフローラS優勝馬のオークス制覇を目指す。 タガノエルピーダ(斉藤崇)は牡馬相手のGⅠ朝日杯FSで3着したが、距離を延ばした忘れな草賞で快勝し、長距離適性を示した。兄姉にはダート重賞勝ち馬、障害重賞勝ち馬、3000メートルのオープン勝ち馬などがいる奥深い血統。そこに新たに〝クラシックホース〟が加わるか。 ほかにもフラワーCを制してここに照準を合わせてきたミアネーロ(林)、フローラS2着のラヴァンダ(中村)、スイートピーS勝ち馬コガネノソラ(菊沢)などが虎視眈々と上位を狙う。
東スポ競馬編集部