ブラックロックのフィンクCEO「AIによって生産性が向上して賃金が上がる」(海外)
ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、AIによって生産性と賃金が向上すると考えている。 ブラックロックは、従業員数はそのままで資産を増やしている。フィンクはこれをAIのおかげだと考えている。 AIに楽観的な人は賃金の上昇を期待しているが、懐疑的な人は雇用が奪われることを恐れている。 ブラックロック(BlackRock)のラリー・フィンク(Larry Fink)CEOは先日行われた決算説明会で、AIへの投資が生産性向上や賃金上昇につながるがると述べた。 ブラックロックは過去18カ月で2兆5000億ドル(約387兆円)の資産増加を達成した。だが従業員数は変わっていない。これは、AIを含むテクノロジーの進歩による生産性の向上のおかげだとフィンクは言う。 「我々はアメリカのインフレを引き下げるつもりだ。生産性を向上させるテクノロジーによって、そうしていくべきだ。それは賃金の上昇も意味している。組織全体として、より少ない人数でより多くのことを行う。それが私たちの野望だ」 10兆5000億ドル(約1634兆円)という巨額の資産を運用するブラックロックは、AIを活用する企業が必要とする新しいデータセンターや発電施設の資本供給会社となることで、AI革命の重要なプレーヤーになろうとしている。 2023年のカンファレンスでフィンクは、AIによって会社がどのように再構築できるのかについて、多くのことを考えていると語った。 「我々は、私よりもはるかにAIに詳しいさまざまな技術者と多くの時間を過ごしている。彼らは、AIが生産性を30%向上させると信じている」 AIはすでにホワイトカラー労働者の生産性を向上させているという経済学的な研究もある。とはいえ、それが必ずしも賃金の上昇を保証するというわけではない。生産性が上がれば、企業経営者はその余剰利益を懐に入れるかもしれない。 AIが経済的な恩恵をもたらすことを期待する楽観主義者がいる一方で、一部の職業において雇用の減少や賃金の低下をもたらすのではないかと懸念する人もいる。 大統領経済諮問委員会がまとめたホワイトハウスの報告書によると、アメリカ人の20%がAIの影響を強く受ける可能性の高い仕事に就いているという。 生産性の向上や新たな雇用機会によってAIからプラスの恩恵を受ける者もいれば、「雇用の置き換え」によって損害を被る者もいる、と報告書に記されている。
Alexandra Bacon