VTuberが中の人を公表するメリットとは? 特異なユニット「金曜日の放課後(アフスク)」と考える
ゲーム実況者の「なーな(チャンネル登録者23万人)」と「ちょっぱー(チャンネル登録者12万人)」の女性2人組によるVTuberユニット、金曜日の放課後(通称:アフスク)。(数字はいずれも2024年1月4日時点)VTuberは、“中の人(≒魂ともいう)”を公表せずに活動する例が多いが、本ユニットは、“中の人”を公表している。2023年4月に結成し、配信はもちろんリアルイベントの開催など活動の幅を広げてきた。 【写真】中の人を公表してVTuber活動をするメリットとデメリットについて語るアフスク ゲーム実況者が中の人を公表してVTuber活動をするメリットとデメリットはなんなのだろうか。結成秘話、今後の展望と合わせて話を聞いた。 ・中の人を公表することで堂々と“個人活動の告知”も ーー2023年の4月に中の人を公表してVTuberユニット金曜日の放課後(アフスク)を結成されました。お2人はゲーム実況者でもありますが、ユニットでの活動の手応えはいかがでしょうか。 なーな:もともと所属していたグループを卒業した約2年前から個人で活動してきましたけど、その時期から新しい挑戦をしたいと思っていたこともあり、楽しくやれています! ちょっぱー:VTuberは好きだったのですが、自分がなるとは思っていなかったので、最初は違和感がありました。でも、実際にやってみると新しいことばかりで新鮮です。 ーー2023年4月にユニットを結成されましたが、改めてそのきっかけを教えてください。 なーな:ずっと前からVTuberの活動に興味はあって。いつかはVTuberをやってみたいと思っていました。ゲーム実況を始めて2年が経ち、新しい活動に挑戦してみたいと思っていた時期にちょっぱーと仲良くなったのが、結成のきっかけです。 ーーユニット結成の前に友達になっていたのですね……! なーな:はい! 初対面のときから波長が合ったんです。同じ趣味を持っていたり、目指している夢が一緒だったりと驚くことも多かったので、すぐに仲良くなりました。 ちょっぱー:初めて話す人と夢が同じだったことはなかったので、盛り上がりましたね。思ってもいないことで話が広がったので、びっくりしました。 ーー多くのVTuberは中の人を公表していませんが、お2人は中の人を公表して活動されています。その理由について教えてください。 なーな:これまでに応援してくれたファンの方にも新しい活動を見て欲しいと思って、中の人を公表しました。 ちょっぱー:新しい人として活動する方が違和感がありました。ゲーム配信者のままVTuberになったいまの活動がしっくりきています。 ーー中の人を公表するメリットはどのような部分にあると感じますか。 なーな:そうですね。個人チャンネルでも宣伝できますし、アフスクのチャンネルでも個人の活動を隠さなくていい部分が大きなメリットだと思います。どちらの話もできるんですよね。 ちょっぱー:個人チャンネルではFortniteの実況動画がほとんどなので、やること全て新鮮です。一緒に企画をやったり、Fortnite以外の実況動画を撮ったり。初めてのことが多くて楽しいです。 ーー逆にデメリットはありますか。 なーな:なんだろう……。個人チャンネルとアフスクのチャンネルでは視聴者さんが少し異なるので、その違いに合わせて配信をするのがちょっと難しいです。個人チャンネルでは、わたしの活動やコラボ相手の活動を見たい人が多いですが、アフスクのチャンネルではちょっぱーとわたしの会話を楽しんでくれる人が多い印象です。 アフスクのチャンネルでは、ちょっぱーとユニットを組んでいるからできることを頑張りたいと思っています。 ・24時間配信と初のリアルイベントの開催に手応え ーーこれまでの活動で手応えを感じた動画やイベントを教えてください。 なーな:2023年の7月に24時間リレー生放送を行いました。寝ずにぶっ続けで。初めての試みでしたけど、タイムテーブルを組んで、見てくれる人が途中で飽きないようにゲームを変えたりして。とても楽しかったです。 ーー24時間……! 終わった時にはヘトヘトになりそうですね。 なーな:終わった後はやりきった感がありました。配信中は、本当にアドレナリンが出っぱなしで走りきりました。 ちょっぱー:入れ替わり立ち替わり見てくれる人もいるなか、完走してくれた人もいて、本当に感動しました! ーー8月にはリアルでもイベントを開催しました。そちらの手応えはどうでしたか? なーな:今回のアフスクのイベントでは意見を出したり、来てくれる方がどうやったら喜ぶかを考えたりしました。多くの準備に関わったので大変だったんですが、やりがいもあって。イベントで視聴者さんに喜んで貰えて、すごく嬉しかったです。 ちょっぱー:うちは、イベント自体が初めてでした。視聴者さんとは画面越しでしか交流したことがなかったので、実際に会えたおかげで関係値が深まったような感じがします。 ーー初めてのイベントで苦労したことはありますか。 なーな:イベントに向けて、ちょっぱーと意見をすりあわせたり、イベントのリハーサルをした時に、どこを改善すれば視聴者さんにとって最高のイベントになるのかを考えたりするのが大変でした。今回はイベントを開くのが初めてだったので、今後は、もう少しうまくできるのかなと思います。 ちょっぱー:なーなてぃんが引っ張ってくれたおかげで、イベントが成功したと思います。とても楽しかったです。 「マンネリ化に陥らないように」 厳しい業界で生き残る“動画作りの向き合い方” ーーここまでのアフスクの活動を通じて、お二人が感じたことは? なーな:最初の方はお互い素直に意見を言い合うことができなかったですが、すぐに打ちとけました。いざ一緒に配信をするとなると、ちょっと難しくて……。ある程度の関係ができたので、今後はどんどん攻めていきたいです。 ちょっぱー:これまでは1人で活動してきたので、誰かと話をしながら配信するということに全然慣れていなくて。それでおどおどしちゃったこともありました。 ーー初めてのユニット活動ならではの苦労があったんですね……。 なーな:そうですね。ただ、ちょっぱーとは友達のノリで配信できているので、活動しやすいです。 ーーちなみに、配信で気をつけていることはありますか。 なーな:個人的に気をつけてるのが「マンネリ化に陥らないこと」です。ユニットではなくコラボ配信だと、たまにしか一緒に活動しないので、新鮮さはあるのですが、ユニットだと定期的に配信をしているので、飽きられないように工夫しています。たとえば、企画を工夫したり、慣れすぎている感を出し過ぎないようにしたり。見て貰う人に新鮮さを感じて貰えるように頑張っています。 ーーありがとうございます! 最後に、今後に向けて力を入れていきたいことを教えてください。 なーな:今後は、新しいことや「歌ってみた」などのジャンルにも挑戦していくので、みんなの前で早く披露できればと思います。 ちょっぱー:今後も色んなことに挑戦していきたいと思います!!
中 たんぺい