中島京子のベストセラー小説を舞台化! 劇団民藝『やさしい猫』2月3日開幕
劇団民藝の『やさしい猫』が2月3日(土)より東京・紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて上演される。 劇団民藝『やさしい猫』チラシ 今作は『小さいおうち』や『FUTON』、『長いお別れ』などで知られる作家の中島京子によって2021年に上梓された小説、『やさしい猫』を舞台化したもの。中島作品の映画化、ドラマ化はこれまであったものの、舞台化は今回が初となる。 シングルマザーで保育士のミユキはある時、震災ボランティアに参加する。そこで出会ったのがスリランカ人のクマラ、愛称クマさん。自動車整備士として働く彼と恋に落ちるミユキ。ところがある日突然、クマさんは収監されてしまう。在留資格手続きについて、警察も出入国管理局も理不尽な対応しかしてくれなかったためだ。ミユキは弁護士に助けを求め、当たり前の幸せを取り戻すためてたたかいを始める。 相手が外国人という理由だけで引き裂かれてしまうふたり。私たちが無意識に享受している当たり前の権利を、非合理的な理由で奪われている外国人。ふだん気づかなくても自分たちのすぐそばにある問題に光を当てる作品だ。 ミユキを演じるのは森田咲子、クマラには橋本潤。脚本を『恋歌(ラブソング)がきこえる』(’91年)で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を獲得し、『海霧』(’08~’15)や『シズコさん』(’14)の脚色でも評価を得た小池倫代。演出は読売演劇大賞優秀演出家賞や芸術祭大賞を獲得している丹野郁弓が務める。 森田は今作について、「若い人たちを中心に先輩の力を借りながら、民藝の新しい可能性が見える舞台にしていきたい」とコメントを寄せている。1950年に設立され、70年以上の歴史を刻む劇団民藝。しかしその姿勢は古びることなく、永く愛された名作を今に受け継ぎながら今作のような挑戦も続けている。民藝の“新しい可能性”を楽しみにしたい。 文:釣木文恵 <公演情報> 劇団民藝『やさしい猫』 原作:中島京子著「やさしい猫」(中央公論新社刊) 脚本:小池倫代 演出:丹野郁弓 出演: 河野しずか 船坂博子 望月ゆかり 前田真里衣 いまむら小穂 森田咲子 野田香保里 井上晶 佐々木梅治 神敏将 大野裕生 保坂剛大 橋本潤 花城大恵 一之瀬朝登 漆畑有里菜 佐々木咲華 上野黎也 関大輝 2024年2月3日(土)~2月11日(日) 会場:東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA